ドリップコーヒーはシングルオリジンが好きだけれど、エスプレッソ系はやっぱりブレンドが好みなので、あれこれ試行錯誤している昨今。
で、今回のテーマはプレミックス。
ブレンドをつくるときの方法には、ふたつある。ひとつは生豆の状態でブレンドしたものをローストする「プレミックス」。もうひとつは、焙煎済みの豆をブレンドする「アフターミックス」。
それぞれ一長一短あって、巷でよく言われているのが「味にこだわるならアフターミックス」「効率をとるならプレミックス」みたいなこと。ぼくも普段はアフターミックスでブレンドしていて、たしかに豆によってローストが変えられるので、個性をより引き出すには最適だと思う。
ただ、やっぱりプレミックスのお手軽さも魅力なわけで、じつはアウベルの焙煎機を使っていたときに試したことがあった。そのときは味が平坦になりすぎて「やっぱり好みじゃない」という結論になったのだけど、サンプルロースターでどうなるか試していなかったので、再度トライしてみた。
プレミックスのメリットとデメリット
ここで、あらためてプレミックスのメリット、デメリットを再考。
【メリット】
- 楽である
- 味がまとまりやすい
- 味がブレにくい
【デメリット】
- より個性的なブレンドが難しい
- なにかの拍子で味が変わってしまったとき、原因を突き止めにくい
- シングルオリジンで楽しむ機会が減る
……こんな感じ?
でも、巷ではどちらかというとアフターミックスが優勢な雰囲気。
さて、どうなるか。
案外良かった第一印象
アフターミックスと同様の比率で4種類の生豆をブレンドしてロースト。
普段は煎り止めの温度を豆によって244℃〜247℃で調整していたけれど、まずは間をとって246℃の煎り止めでテスト。
煎り上がりは問題ない感じ(上の写真)。心配していたムラも気になるほどじゃない。
半日ガス抜きをして翌日ラテに。
結果は……
ん?
んん?
案外いいぞ?
が最初の印象。アフターミックスに比べると突出した風味はたしかにないけれど、逆に言うと味がまとまっていて、全体的に風味が丸くなっているような印象をうける。
ただ、全部同じローストになっているからか、アフターミックスしたときの味とはまたちょっと違う。それを考慮してブレンド配合を微調整すれば、案外プレミックスでもイケるのかもしれないな、とは感じた。
配合だけでは越えられない壁がある?
とりあえず上記写真の初回に加え、配合を少しずつ変えて何回か追試してみたところでは、10点満点中、7〜8点にはなるけれど9点以上にはならない。
それはやっぱり、つまるところ、すべての豆が同じローストレベルだからなんだと思う。あるところよりも深煎りにしたくない豆もそれを超えてしまうので、ブレンドの配合でどうにかなる問題ではないんろう、きっと。
プレミックスは、これはこれで追求していくと奥が深そうだけれど、アフターミックスで目標とする味がある程度出せている今、あえてプレミックスに固執するのも不毛なので、プレミックス研究は一旦お蔵入り(笑)。
とまあ、今回は結果的には「やっぱりアフターミックスでした」となったわけだけれど、ブレンド次第ではプレミックスも十分アリかな。