nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

E61グループヘッドのセッティングの話

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ポルタフィルターをグループヘッドを装着するとき、当然、圧が逃げないようにしっかりとロックをする必要がある。ただ、そのロックに大きな力が必要なマシンorセッティングが、ぼくはどうも苦手。

 

YouTubeでE61マシンの動画などを見ると、ヘッドがミシミシと音を立てて動くくらい“グイィィィッ”と力を入れてポルタフィルターを装着しているけれど、あれがどうもダメで、「どうしてこんなに固くしてるんだろう?」といつも思っちゃう。

 

うちではどうかというと、ヘッドを上から見て、ハンドルが真下からやや手前まではスカスカ。時計に例えると35分〜33分くらいの位置まではほぼ手応えがなく、そこから30分の位置でキュッと締まるようにしている。というか、締めていけば20分くらいの位置までハンドルが動くけれど、30分の位置で必要十分な力でロックできる。通常の抽出ではもちろん、ブランドフィルターを使っても問題ないくらい。

 

このくらい軽くしていると、ポルタフィルターの脱着が楽だから気持ちがいい。

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↑ちょっとわかりにくいけれど、左が手応えを感じ始める位置。右がロックの位置。いつも片手でキュッと装着。力はほとんどいらない。

 

もちろん、これは意図的にそうしているのだけど、このセッティングにこだわっている人がどれくらいいるんだろう? と思いつつもこれを書いているところ。 

ハンドルのロック位置(硬さ)に影響するパラメータはこんなにある

このポルタフィルターのロックの調整は、じつはけっこういろいろな要素が関係してくる。

 

■ガスケットの厚さ

 

まずはガスケットの厚さ。Giottoの場合は標準で厚さ8.5mmのガスケットが装着されている(Rocketは基本8.5mm?)。世の中には同じE61ヘッド用ガスケットでも8.0mm、8.5mm、9.0mmのものが存在していて、それらに交換することができる。

 

厚みのあるガスケットを使うほどポルタフィルターの手応えが早くから始まり、ロックに力を要することになる。

 

SIMを挟んで調整する方法もあるみたいだけれど、基本はお好みの厚さのガスケットに交換、だろう。

 

■ガスケットの素材

 

標準のガスケットは黒いラバー的な素材なのだけれど、最近は劣化しにくいシリコン製のガスケットがあって人気を博している模様。

 

シリコンガスケットは柔らかいので、同じ厚さのガスケットを使用すると、しっかりとロックしようとすると標準よりも多めにハンドルを動かす必要が出てくる(つまり30分の位置を超えてしまう)。

 

一方で、厚めのガスケットを使うと、早い段階からポルタフィルターに負荷がかかるので、結局ロックするまでにそこそこの力が必要になる。だからぼくはシリコンのガスケットが苦手。キュッとロックしたいなら非シリコンがいいと思う。

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↑黒いのが純正ガスケット。8mmと8.5mm。青いのがシリコンガスケット。8.5mm。

■ポルタフィルターの耳の厚さ

 

なんて呼ぶのかわからないけれど、ポルタフィルターには耳のような出っ張りがある。あえて“耳”と呼ぶと、その耳の厚さが、じつはポルタフィルターによってマチマチだったりする。

 

ざっと計測した限りではこんな感じ。

 

ROCKET純正:6.3mm
Genericボトムレス:6.5mm
ROCKETボトムレス:5.6mm

 

ROCKET純正でもGiotto付属のものと別途購入したボトムレスでだいぶ差があることに驚き。

 

なお、厚みがあるほどハンドル移動量あたりの圧着力は強くなるので、早い段階でポルタフィルターの装着が完了する。こう書くと良さそうに思えるけれど、ガスケット次第では40分だったり35分の位置で「止まる」ことも考えられるので一概に良いとは言えない。

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↑E61用ポルタフィルターでも“耳たぶ”の厚さが違うので要注意。その点、メーカー純正品なら安心。

■フィルターバスケット

 

フィルターバスケットを変えたら、ポルタフィルターのロック位置と手応えも変わると思ったほうがいい。

 

高精度なプレシジョンでも変わるし、同じブランド同士でも変わるので、ブランドが違えば変化する可能性は高いとみていい。

 

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↑フィルターバスケットはさまざまなブランド、大きさのものを使いがちなパーツなだけに、ポルタフィルターの装着感への影響度も頭に入れておくと良さそう。

■シャワースクリーン

 

なぜだかよくわからないけれど、E61に限っていえば、シャワースクリーンの種類(メーカー)によっても、ポルタフィルターの装着感が変わる。

 

例えばノーマルのシャワースクリーンからIMSのシャワースクリーンに変えると、ポルタフィルターのロックポイントが奥になったりする。30分だったものが28分になるなど、その差はわずかだけれど、その差2分でもハンドルの移動量が増える分、感覚的にはけっこう違って感じるので、気になる人は気になると思う(ぼくは気になる人)。

 

ただ、どうなるかは装着してみないとわからないのがシャワースクリーンの難しいところ。

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↑シャワースクリーンでもポルタフィルターのロック位置、重さが変わる。ガスケットにはまりやすいとか、相性もありそう。

相性が大事。結局は装着してみないとわからない。 

で、このポルタフィルターの装着具合のセッティングは、結局はやってみないとわからない、というのが正直なところ。

 

例えば、同じブランドのバスケットA、Bがあり、Aは良い感じでもBだとロック位置が変わって違和感が出る……ということはよくある。IMSのバスケットでも経験があるので、プレシジョンバスケットだからそのへんは同じだろう、と思わない方がいい。

 

面倒なことに、これがポルタフィルターやシャワースクリーンでも同じことが言えるので、結局は複数の厚みのガスケットを用意しておいて、“イイ感じになる”組み合わせを試行錯誤するしかない。

 

先日、ポルタフィルターを交換した話をしたけれど、交換前は8.5mmのガスケットを使っていたのに(劣化してるのか実測8.3mmだった)、新しいポルタフィルターを使っている今は8mmのガスケットを使っている。

 

ポルタフィルターの耳の厚さはGenericよりもROCKETボトムレスのほうが薄いにもかかわらず、ガスケットは9mmではなく、より薄い8mmを使用しているのは、間違いなくそのほか(シャワースクリーンとバスケット)の影響によるもの。こんな具合で、本当にすべて装着してみないと“感触”はわからない。

 

そんなわけで、ポルタフィルターのセッティングに不満がある人は、パーツを揃えて試行錯誤する必要がありますよ、というお話でした。