nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

カルディの焙煎機「Fortis」を1ヶ月使ってみてわかってきたこと

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ユニオンのサンプルロースターからカルディの焙煎機「Fortis」にアップグレードして1ヶ月。

 

1:3バッチほど焙煎する
2:翌週テイスティングして問題点と改善方法を考える
3:1に戻る

 

というフローを繰り返すこと3回目にして、ようやくこの焙煎機での焼き方を掴んできた。というか、サンプルロースターのクオリティに追いついた(追い抜いた?)感じ。

 

というわけで、気づいたコトあれこれ。

熱のかけ方で味がかなり変わる

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Fortisもそうなんだけれど、わりとしっかりと余熱するタイプの焙煎機の場合、熱のかけ方がサンプルロースターとは違う、とよく言われる。焼き方が違うというかね。

 

具体的には上図Aのように、しっかりと余熱をして豆を投入、比較的短時間で豆温度を上げ、焙煎が進んでいくにつれて火力を徐々に落としていく焙煎方法。

 

いわゆる業務用焙煎機の基本のプロファイルになっているのが、だいたいこのパターン。

 

なんだけれど、このプロファイルで焼いた豆の味が、どうも好みじゃない。サンプルロースターに比べて奥行きがないというか、あっさりしすぎというか。別の言い方をすると、面白みがない味というか。

 

そこで思ったのが「サンプルロースターと同じように熱を入れたら、以前みたいな味になるんじゃない?」ということだった。つまり、上図Bみたいなプロファイルね。

 

序盤は少しずつ熱を入れて、豆色が変わってきたあたりでガツンとカロリーを与えて1ハゼに持っていき、そこで火力を絞りつつも温度を上げて2ハゼに突入、そして煎り止め、という流れ。

 

Fortisでこの焼き方をしてみたら、予想どおり、以前のような味になってくれた。しかもチャフをしっかりと排出できているから、味と香りがより洗練されていて、ある意味、サンプルロースターを超えた、とも言えそう。

 

まだまだ精進が必要だけれど、ひとまずの目標だった「サンプルロースターを超える」というミッションはこれで無事にクリアできた……?

 

プロファイルAを研究するとまた違った面白さがありそうだけれど、とりあえずは好みの傾向の味になるプロファイルBでいこうかなー。

 

なんだか、ようやくスタートラインに立った気がするぞ……。

焙煎量が少ないとΔ(デルタ)が安定しない? 

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Fortisには豆の温度と排気温度のセンサーがついていて、リアルタイムで温度を監視できる。

 

『artisan』上でその推移を見つつ火力とブロワーの調整をしているのだけれど、この1ヶ月でわかったのが、『artisan』で表示される温度上昇率、いわゆるΔ(デルタ)の値は鵜呑みにしないほうが良いということ。

 

ぼくは一回あたりの生豆の量を250gとしているのだけれど、その量だと豆がセンサーに接触しづらいためか、けっこうな頻度でデルタ表示が乱高下してしまう(下の細いグラフがそれ)。

 

最初のころは突如としてやってくるその乱高下に慌てふためき、火力やらブロワーを都度調整していたのだけど、それが温度変化を助長させてしまい、結果的に“正解”が見えなくなってしまっていた。

 

あるとき、デルタを無視して焼いてみたところ、しかるべきタイミングでしかるべき温度になり、きちんとハゼてくれることがわかったので、今はもうデルタはほどんどアテにしないで焙煎をしている。

 

焙煎量が多いとたぶん大丈夫なんだろうなぁ。

Fortisを1ヶ月使ってみて

1ヶ月使ってみてあらためて感想を述べると、Fortis、とても良いです。

 

前にも書いたように電動だから楽というのももちろんだし、『artisan』でログが採れるのも良いけれど、今回のエントリーからもわかるように、いろいろな焼き方ができる点がすごく良い。

 

昔ながらのプロファイルAは、残念ながらぼくの好みではなかったけれど、この焼き方はサンプルロースターでは不可能だと思う。熱容量が少ないからね。同じようなことをしようとすると火力をグンと上げる必要があって、それをやると多分焦げちゃう。

 

豆やローストレベルによってAとBを切り替えるのも良さそう。

 

ぼくはたまたまフルシティあたりでコクが豊かな焼き方が好きだからプロファイルBが好みだったけれど、Aのほうが合っているケースもきっとあると思う。このへんは経験していくしかないかな。

 

火力調整もなんとなくわかってきた。この火力なら何分後には何度くらいになる、という感覚ね。『artisan』でも予測できるけれど、感覚でこれを掴むことってすごく大事なので、それがわかってきたことで精神的にすごく楽になった。

 

あとはブロワーの使い方かな。

 

ブロワーはまだ2段階でしか調整できていないので、どのタイミングでどのくらい強くするのか、などはこれから試行錯誤していくつもり。このへんはまだまだこれからな感じ。

 

あとは、例えばプレミックスでブレンドを焼く場合にも、硬い豆を先に入れるなどの“時間差投入”が簡単にできそうなので、そういうのも実験してみたいなぁ。サンプルロースターでもできなくもないけれど、多分ちょっと大変だからね。

 

というわけで、楽しくなってきた今日この頃。もっと焼きたいけれど、消費が追いつかなくなるのがこわい……。

 

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↑オマケ。この1ヶ月でタフまるをアップグレード。焙煎機のセッティングにワンバイ材を使っていたけれど、案の定カーボン化が進んでしまったのでアルミの角材を設置してみた。前よりも高さが出たのでバーナーの火を確認しやすくなった。かつ、焙煎機からの輻射熱を少しでも跳ね返せるようにバーナーの周囲にアルミホイル状のカバーを装着。これがかなり調子いい。