nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

昔話5。Vivaceの豆と豆難民

Vivaceのビータブレンド。大好きな豆。不満があるとすれば、マキネスティまで行くのが面倒くさいことと、ちょっとだけ価格が高いこと。

 

人間というのはじつに欲深いもので、Vivaceと同じくらいに美味しく、でももう少し安く、しかもネット通販できる豆を探したい、と思うようになってしまい、しばらく全国の自家焙煎店から豆を買い漁る日々が続いた。

 

当時はまだエスプレッソ自体がマイナーだったこともあり、自家焙煎店のなかでもエスプレッソ向きを謳った豆を置いているところは少なく、なかなか難儀だった。ネット通販に限らず、街を歩いていて豆を販売している店をみつけては入り、エスプレッソ抽出におすすめな豆を聞いては真っ黒なイタリアンローストをすすめられてガッカリして店を出る、そんなことは日常茶飯事。

 

これは今でもそうなのだけれど、当時から豆の好みはわりとハッキリしていた。


・苦くない
・でもコクがある
・それでいて甘味がある(ミルクを引き立てる)


この3つ。

 

Vivaceの豆のローストが思いのほか浅かったこともあり、フレンチローストやイタリアンローストは眼中になく、エスプレッソ向きと聞いて、ことさらそういう豆を勧めてくる自家焙煎店の多さにうんざりしたものだ。日本はドリップコーヒーの文化だから、まぁ仕方ないのだけど。

 

それはそれは、かなりの数のお店から買ったと思う。買っては試し、買っては試し、たまに巣に戻るようにVivaceの豆を買い、ホッと一安心する、そんな日々が続いた。まるで豆難民だ。

 

結局、ピッタリ好みの味に出会えなかったものの、それでもいくつかリピートしたお店があった。調布の「パオコーヒー」、千葉の「さかもとこーひー」、品川の「コーヒーファクトリー」。あとで知ったことだけれど、この3店に共通していたのが、炎を直接豆にぶつけて焼く直火式の焙煎機を使用していた、ということ。ぼくは決して直火信者ってわけじゃないのだけど、もしかすると半熱風式や熱風式よりも直火式で焙煎した豆の風味が好みなのかもしれない。もっとも、当時は直火焙煎が多かったのかもしれないけどね。

 

いつだったかはうろ覚えだけど、マキネスティはあるときからVivaceの豆の取り扱いをやめて、独自に焙煎したオリジナルのブレンドのみになってしまった。もちろん、それはそれで良かったのだけどVivaceほどのインパクトはなく、店舗の移転などをきっかけに、マキネスティに行くことはなくなってしまった。いろいろあるんだろうなぁ、きっと。

 

それ以降、残念ながらVivaceの豆を口にしたことがない。横浜、山下公園のそばに取り扱うお店ができたという情報はキャッチするも、豆の購入はできないと聞いて行かずじまい。悲しいかな、今Vivaceの豆を買うとしたら個人輸入しかないみたい。機会があったらまた買ってみたいな。過去の記憶が美化されているのか、それとも、事実そうなのかがハッキリするから。

Espresso Vivace
パオコーヒー
さかもとこーひー
コーヒーファクトリー