はじめての釜山。用事の合間をぬって、コーヒーショップを巡りを頑張ってみた。
だいたいの人はカフェやコーヒーショップに求めるのは「居心地」だったり「かわいいスイーツ」だったりするのだろうけれど、ぼくの関心はコーヒーの「品質」と「味」。もっというと、カフェラテの味。とにかく舌で楽しみたい。
というわけで、果たして、お気に入りの店に出会うことはできるのか!?
■coffeesmith
ぼくが滞在したホテルは釜山の東寄り、海雲台(ヘウンデ)というところ。ビーチに沿ってホテルが立ち並ぶ観光地で、飲食店はおろか、コーヒーショップにも困らない。ホテルの1Fに、ちょうど coffeesmith というコーヒー店があったのでテイクアウト。
店内には芸能人と思わしきサイン入りマグがたくさん飾られていて、ちょっと期待してみたけれど、期待に反してラテの味は普通。とくに際立つものがない、よくあるチェーン店の味、とでも言うべきか。現にチェーン店のようで、釜山市内にたくさんあった。オシャレで雰囲気は良いんだけどね。
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■MOMOS COFFEE
釜山のカフェを検索していると、必ずといっていいくらいオススメされているお店の筆頭がココ、MOMOS COFFEE。単なる自家焙煎コーヒーショップとしてだけでなく、自家製パンの販売に加え、バリスタ育成まで手がけているらしい。
それはともかく、個人的には店のつくりが特徴的で好き。古き良き和風ならぬ韓風? 的な佇まいで、木を多用した落ち着いた雰囲気がとても良い味を出している。その落ち着いた雰囲気とは裏腹に、店内は超満員! ちょうど真っ最中だった連休の影響かもしれないけれど、超人気店なのは間違いないみたい。
肝心のラテの味は、これまでの予習でハードルを上げすぎたのか、あれ? っていうくらい普通(笑)。もちろん、大手チェーンとは質の面では上だけれど、味の印象は残念ながらそれほど変わらなかった。
同行したコーヒー好きは、ドリップは雑味がなく美味しいと高評価だったので、そっちを飲んでいたら印象はまた変わったかもしれない。少なくともカフェラテは、まぁ、普通かな。
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■FM Coffee House
とくにラテが美味しいとフレコミがあったので、これは行かざるを得ないということで、カフェストリートというカフェが密集している田浦(ジョンポ)の FM Coffee Houseへ。
ここは今までのお店とは違い、ラテでもロースト別に3つの豆から好みの豆を選ぶことができる。ブレンドの内容が同じでローストだけ違うのか、それともブレンドの内容まで違うのかまでは確認できなかったけれど、店員さん曰く「日本の方はダークを選ばれることが多いですね」とのことなので、ダークを選択。
ちなみに、ダークはグアテマラとインドネシアのブレンドだそう。
出てきたラテはアートが美しい。というか、余裕がある。バリスタさんの腕が良いんだろう、ということは見るだけでわかる。
味はというと、個人的な好みよりも、ちょい苦い……。う〜ん、惜しい。もう少し甘さがほしかった。真ん中のローストにすべきだったかな〜。
MOMOSもそうだったけれど、ミルクの甘味があまり感じられないのは、ミルクが問題なんじゃないかとこの時点で思い始めた。安いミルクや脂肪分が少ないミルクを使うと、こんな感じの、ちょっと抜けた風味になるから。もっとも、それが好きな人もいるだろうから、この場合は単に好みの問題なのかもしれない。
なお、韓国語ペラペラなお連れ様のアイスラテはエスプレッソの風味はあるものの、やはりコクと甘味に物足りなさが残ったのも事実。氷が多いことに加え、やはりミルクが薄いのでそういう印象になるのかも。
フォローするわけじゃないけれど、店内の雰囲気は今風でとても好き。階段には世界中の有名ロースター&カフェの豆が飾ってあり、なかにはぼくがエスプレッソにハマるきっかけになった Vivaceの豆もあった。懐かしい。
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■BLACKUP COFFEE
新進気鋭のコーヒーショップとされる BLACKUP COFFEE。
訪れた西面(ソミョン)店は、店のつくりから変わっていて、フロアごとにエスプレッソマシンとレジ、座席があって、それぞれのフロアで注文してドリンクをつくってもらって、いただく、という流れになっている。どうしてこうなっているのかは謎。
それはさておき、ここは今までの店のなかでも、事細かな注文ができる点がポイントが高い。カフェラテひとつ注文するにも自由度が高いのだ。
まず店員さんに確認されたのが、豆の選択。「どっしりとしたコロンビアベースのブレンドと、ライトなエチオピアベースのブレンド、どちらの豆にしますか?」と。先日のVERVEでも同じ選択肢で悩んでコロンビアベースを買ったので、今回はエチオピアベースに。
次にサイズ。4oz、6oz、そして12ozの3つから選ぶ。ご存知のように、コーヒーショップをハシゴしている者としてはこの状況で12ozはあり得ない(笑)。念のためにエスプレッソのショット数が違うのかを聞いてもらうと、「基本は1ショットですが、サービスでダブルにもできますよ」というお返事。続けて「おすすめなのはダブルで12ozですよ!」とプッシュされるも、さすがに12ozを飲む余裕もなく(おなか的に)、6ozのダブルに。
2Fはエスプレッソマシンがフロア中央にあるので、バリスタさんのお仕事内容が丸見え。マシンはLa Marzocco、グラインダーは珍しくCompakだった。
できあがってきたカフェラテは、見栄えはまずまず。
一口飲んでみると……うぉー、酸っぱい! 本来はフルーティーと言うべきなのだろうけれど、6ozでダブルにしてしまったので、本当に酸っぱい。浅煎りのイルガチェフェの酸味がドーンと口に広がる感じ。シングルにすべきだったなーと反省。
ただね、酸っぱいのは好みの問題で自分の選択ミス。ぼくとしては無難な普通のラテじゃなかったことが嬉しくて、ここは機会があったらまた行ってみたい。
最後にもうひとつだけ、このお店の良いところ。じつはココで売られているブレンドは、産地と配合率がしっかりと明記されている。ブレンドというのは、ある意味、その店の個性であり、顔。だから大抵のロースターは書きたがらない。それを書いちゃうんだから「書いたところで真似できないだろう?」という自信がうかがえて、好感が持てる。
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■JM COFFEE ROASTERS
時間的に最後になったのがココ、JM COFFEE ROASTERS。というか、時間があってもこれ以上はおなか的に回れない(笑)。
行ったのは釜山タワーやチャガルチ市場などがある観光地、南浦洞(ナンポドン)のお店。まず開放的なテラスが印象的。店内も広く、壁際には自家焙煎のコーヒー豆や機器などがズラっと陳列されている。
出てきたカフェラテは……デカい。12ozくらいのラテボウルになみなみと。ラテアートもキレイで余裕がある。ココもバリスタの腕が良いんだろうね。
さぁ、ラテの味はどうなんだ!? と、口をつけてみると!!!!
……普通でした。
この味はエスプレッソがたぶんダブルなのかな? だからエスプレッソの風味はわりとしっかりあるのだけれど、豆自体のブレンドが無難というか普通なのか、カフェラテの味も際立つものがなくて、平凡。誤解を招かないように書いておくと、もちろん、質は良い。良いんだけれど、普通、という。
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■まとめ
今回の釜山滞在。あらかじめ予習して挑んだこともあり、短い時間のなかで、いくつものコーヒーショップを巡ることができた。
好みのコーヒーショップには、今回は残念ながら巡り会えなかったけれど、釜山のカフェ事情というかコーヒーカルチャーを少しでも体験できたのは有意義だったし、楽しい経験だった。きっと日本と同じで、韓国のなかでも頭ひとつ抜けたお店は、ほんの一握りなんだろうな。
日本と韓国、カフェラテの味的な側面では似たり寄ったりでも、ひとつだけ決定的な違いがあった。それはカフェ、コーヒーショップの店づくり。韓国のカフェ全部がそうとは言えないけれど、広い敷地を贅沢に使っていたり、狭くてもコンセプトがハッキリしていて特徴的な店づくりをしているように見えた。もちろん、日本にもそういうお店がないわけじゃないけれど、相対的に韓国のほうが自由な発想で空間づくりをしている印象。日本では、こういうこと以外でも、どうしても型にハマっちゃう傾向があるからね。
というわけで、楽しかった釜山。今度はネット情報に頼らず、行き当たりばったりなカフェ巡りをしてみたいなぁ。