デロンギのKG100、ソリスマエストロプラス、ascaso i-2(コニカル)ときて、今使っているグラインダーが、このQuamar M80E。刃は63mmのフラット。詳細なスペックはこんな感じ。
Body: aluminium
Coffee bean container: plastic, 500 g - 1,2 kg
capacity Dosing device: Programmable setting, for single, double and triple dose, with digital visual display
Grinding blades: ø63 mm special stainless steel
R.P.M.: 1.400 (50Hz) – 1.600 (60Hz)
Tension, power: 110-120 V – 50/60 Hz, 460 W
220-240 V – 50/60 Hz, 420 W
380-400 V – 50/60 Hz, 230 W
Dimensions: 160 x 290 x 510 mm (width x depth x height)
Net weight: 11,3 kg Packaging dimensions: 332 x 222 x 565 mm (width x depth x height)
Gross weight: 13 kg Volume: 0,042 m3
Suggested daily production: up to 3,5 kg/day
このクラスのグラインダーになると、基本的にみんなMazzer miniにいくのが通例。たしかにMazzer miniにしようと思っていた。だけれど、これも運命ってやつなのか、買いたいときにElectronic-TypeBのブラック在庫がどこにもなく、一時はCompakも選択肢に入れて悩んでいたときに、たまたま発見したのがこのQuamarのグラインダー。
Quamar。じつはそれまで知らなかったブランド。日本の代理店もまだどこも取り扱っていない。だけれど、スペック的にも申し分ないし、操作性も良さそう。デザインも悪くない。しかもだ。それでいてMazzer miniなどに比べると圧倒的にリーズナブルなのが素晴らしい。なにしろ半額くらいだからね(例えば1st-line.comではMazzer miniの約1000ドルに対して、M80Eは値引きされて約500ドル)。
どうしてこんなに安いんだろうか。もしかして、安かろう悪かろうなのか。などと、買うまではだいぶ不安だったものの、使用して1年半経った今では、このモデルにしてまったく後悔していない。
というわけで、簡単にレビューを。
Quamar M80Eの良いところ
-
電源ボタンが押しやすい
- ホッパーのフチがラバーになっていて密閉性が高い
- タッチパネルが操作しやすい
- プログラム設定が容易
- メッシュ調整ダイヤルが操作しやすい
Quamar M80Eの悪いところ
- ホッパーの下に豆のカスや粉が大量に溜まる
- 粉残りが多い
- 硬い豆を挽こうとすると、ごく希にモーターが回らないことがある
- タッチパネルの反応が悪いときがある
少しだけ掘り下げてみよう。まずは良いところ。
電源ボタンが押しやすい
前に使っていたascasoのグラインダーの電源ボタンが小さかったから余計にそう思うのかもしれないけど、Quamarの電源ボタンは押しやすい。Mazzerもたぶん同じボタンだったと思う。
ホッパーのフチがラバーになっていて密閉性が高い
細かいところだけど、ホッパーのフチにラバー処理が施されていて、密閉性が高くなっている。おそらく豆を入れっぱなしにする店舗などでは外気の影響を受けにくくなるだろう。あと、フタをとったりつけたりする際、音が静かになるというメリットもありそう。
タッチパネルが操作しやすい
Quamarのグラインダーは操作がタッチパネル式になっていて、1杯分、2杯分、3杯分をボタンひとつでグラインドできる。操作はとても簡単。
プログラム設定が容易
1杯分、2杯分、3杯分のボタンを押した際、何秒間動かすかを設定できる。ホッパーに豆をある程度入れておく必要はあるものの、同じボタンを押せばだいたい毎回同じグラム数になるので、かなり便利。
メッシュ調整ダイヤルが操作しやすい
これポイント。Mazzerはメッシュ調整ダイヤル(ハンドル)が重いことで有名だけれど、Quamarはストッパーを押しながらリングを左右に回すだけだから、とても操作しやすい。しかも軽く回せる。
では、続いて、悪いところ。
ホッパーの下に豆のカスや粉が大量に溜まる
何気にこれがいちばん気になったところ。ホッパーの下にけっこうな隙間があり、そこに大量のカスや粉が残ってしまうのだ。どうしようかと悩んだ末、毎回掃除するなんて面倒なことをしたくないので、ファンネル状のパーツ?を即席でつくってハメ込んでいる。これをやるだけでだいぶましになったかな。
粉残りが多い
これも弱点。前に使っていたascasoのコニカルも、わりと粉残りしていたグラインダーだったけれど、M80Eはさらに上をいく……。厳密に測ったことはないものの、体感的に10gくらいは残っているんじゃないかと思うほど。だから毎回、本使用の前にある程度豆をグラインドして古い粉を押し出すという手順を踏んでいる。いわば捨て粉だから、もったいないと思いつつもこればかりは仕方がない。
硬い豆を挽こうとすると、ごく希にモーターが回らないことがある
硬くて肉厚な豆を使っているとき、ごくたまにグラインドボタンを押してもモーターが唸るだけで回ってくれないことがある。100Vで使っていたときは電圧のせいだろうと思って115Vのアップトランスを入れたものの、それでもたまにおきる。メッシュ調整リングを少し動かしてやれば問題ないものの、最初に発生したときはちょっと焦った。
タッチパネルの反応が悪いときがある
タッチパネルの反応が悪いときがある。触るだけで反応することもあれば、ちょっと力を入れて押さないと反応してくれないことも。本来の仕様は、きっと前者なんだと思うけど。
Quamar M80Eはオススメ。でも理想はコニカル……かな
良いところ悪いところあるけれど、正直、Mazzer miniを買うならQuamarをオススメしたいくらい、しっかりしたグラインダーだと思う。性能は比べてみないとわからないけれど、少なくともコストパフォーマンスは間違いなくMazzerよりも上だろう。だって実質、半額近くで買えてしまうのだから。
ただ、使ってみて感じたのが、個人的にはフラットよりもコニカルのグラインダーのほうが好きだな、ということ。おそらくはコニカルに比べて相対的にメッシュが細かくなるフラット特有のものと思われる粉の偏りが、どうしても気になる。抽出を安定させるためには、いちいちバスケット内の粉をかき混ぜなければならないから(いわゆるWDT-Weiss Distribution Techniqueが必要)、店舗使用だったらまともに使えないんじゃないかとすら思う。ちなみに、それまで使っていたコニカルは、そんなこと、まったく気にしなくてよかった。
というわけで、本当はコニカルのグラインダーを使いたいけど、コニカルはなぜかローエンドかハイエンドのみの設定だから、こればかりはなかなか手が出ない……。