「ニュークロップは焙煎が難しい」ということはチラホラ聞いたことがあった。だけれど、どう難しいのか、なぜ難しいのか、までは知らなかった。でも、それがなんとなくわかった気がする。
アロマショコラの手持ちがなくなり、再注文して届いた豆がまさにそのニュークロップだったのだ。
アロマショコラはいつものように200gずつ2回焙煎。1回目は、前回までの古い豆と新しい豆を混ぜたもの。そして2回目は完全にニュークロップだけ。
すると、2回目のニュークロップは、1回目と同じくらいの火力だったにもかかわらず、明らかに初期の温度上昇が遅い。どのくらいかというと、センサーの位置を疑ったくらい。水分量が多い=熱が入りにくい、という理屈なのかな。というわけで、1回目よりも少しだけ火力を強めるという対策をとり、いつもどおりの焙煎時間と温度に合わせることができた(これが正解かはさておき)。
話はそれるけれど、やっぱりコーヒー焙煎に温度計って必須だね。仮に温度計がなかったら「いつもどおりに焼いているはずなのにハゼるタイミングが遅いぞ」となり、そこから「火力が小さかった? いつもどおりにしたつもりなんだけどな」などと余計なところで悩んでしまうところだった。
話を戻すと、ニュークロップは、最適な火力が変わる。
もうひとつ気づいたこと。ニュークロップは、いつものように煎り止めすると、少しだけ焙煎が浅くなる(気がする)。
最近はいちいち豆の色を見ないで、表面温度とハンドルの手応えだけで煎り止めを判断していた。今回もそう。2ハゼピークで、パチパチパチッと軽快なハゼ音が鳴り、同時にモクモクと煙が出て、ある瞬間からハンドルが軽くなる。温度もいつもどおり。「よーしここだ!」と豆を出してみると、予想よりも少しだけ色が薄い。
ガス抜きをして飲んでみると(例によってエスプレッソ抽出でカフェラテにする)、コクはあるけれど、少ーしだけ渋みがあるような……という。
おそらくは水分量が多い=温度上昇も鈍い=芯まで火が通りにくいため渋みが僅かに残った、のではないかと予想。これを解決するには、もうちょっとだけ焙煎時間を延ばせばいいのかな。
というわけで、一概には言えないかもしれないけれど、ニュークロップの焙煎は
- ・温度上昇が遅いから火力を強める必要がある
- ・焙煎の進行が遅いので、焙煎時間を長くとる必要がある
だから難しい、のかもしれない。
ただ、再確認したことは、ニュークロップは味に厚みがあって美味しい、ということ。
豆を購入したタイミングによって「同じ豆なのに味が違うなぁ。焙煎が安定していないからかな」という経験が何度もあったけれど、もしかするとクロップの収穫年度に起因するものなのかもしれない。そう考えると、生豆の鮮度も大事なんだねぇ。