2015年のWBCチャンピオンが考案し大会で使用したことで瞬く間にブームとなったOCD distribution tool。もちろんぼくも気になってはいたんだけれど、なにしろ高い。
アメリカでも150ドル〜200ドル、日本ではヘタすりゃ2万超えですよ。そりゃ躊躇もするよね。
Pullman Chiselなどの有名ブランドからも多くの類似品が出てきているけれど、そんななかで見つけてしまったのだ。類似品中の類似品。メイドインチャイナ。
この手の類似品は「マカロンタンパー」で検索するとゴロゴロ出てくるので興味ある人はぜひ。
で、そのなかから入手が手軽そうなやつを買ってみた。お値段、びっくりの約3600円! やすっ!
というわけでディストリビューションツールの使用感などをレビュー。
バスケット内に均等にコーヒーをセットするのが主な役割
そもそもこのディストリビューションツールとやら、いったいなにをするものなの? と、普通の人は思うはず。
勘違いしやすいけれど、これはタンパーではない。同じような形状のタンパーも流通しているから混乱しやすいけれど、OCDをはじめ、この“OCDもどき”のようにベース部分がフラットでないものは「ディストリビューションツール」と呼ばれるもので、バスケット内のコーヒーを均一かつフラットにするためにある。
ドージングの際、バスケット内のコーヒーを指などでレベリングしたつもりでも、場所によってはコーヒーの密度にムラやクランプ(塊)があったりするので、それを均一かつフラットにして抽出を安定させることがねらいだ。
使い方はとっても簡単
使い方は簡単。
いつものようにドージングしてコーヒーを計量したら、おもむろに“OCDもどき”をバスケットにかぶせ、ぐりぐりと回転させる。基本は右まわりだけれど、たまに左へもまわしてやるとより良い結果になるっぽい。
満足するまで回したら、タンパー(BigStep)で仕上げ。“OCDもどき”を使った時点でバスケット内はきれいにフラットになっているので、タンパーでキュッとプレスしてやれば完成。
ものすごく手軽で簡単。かつ、誰がやっても同じ結果になる、というのが素晴らしい。
効果は絶大!? 一度使うとディストリビューションツールなしには戻れない
正直、使う前は半信半疑だった。「こんなの効果あるのかね」って。だけれど、使ってみると、その効果にビックリ。
まず、抽出の様子が明らかに変わった。
フィルターバスケットからエスプレッソが出てくるタイミングが、今まではバスケット中央部分が少し遅れたりと場所によって時間差やムラがあったのだけど、それが小さくなり、バスケット全体からまんべんなく抽出されるようになった(誤差はあるけども)。
さらに、フラットの精度が上がったためか、サイドチャネルの発生率も一気に下がった。ほぼ発生しなくなったと言っていいくらいで、これが個人的には最もうれしいポイント。
つまるところ、ディストリビューションツールは、たとえ“OCDもどき”であったとしてもその効果は絶大で、安定したエスプレッソの抽出には欠かせないものである、ということがわかった。
誇張でもなんでもなく、一度使うと戻れない、そんなアイテムだと思う。オススメ。
■有名どころなディストリビューションツールあれこれ
ONA
OCD: ONA Coffee Distributor – ONA
Pullman
Pullman Chisel Espresso Distribution Tool | Prima Coffee
Saint Anthony
BT Wedge Distribution Tool – Saint Anthony Industries