“おもしろそうな豆ないかなー”と生豆屋さんのサイトを巡回していたら、ふと目にとまった「インドネシア・ガヨ・ワイニー」。
要するにインドネシア・ガヨマウンテンのワイニー精製というやつかな? と、見てみると、どうやらそうっぽい。ワイニー精製ということは、要はナチュラルでちょっと発酵させたやつかな……? とさらに見てみると、そこは謎に包まれていた。
うーん、気になる(笑)。
ということで、買ってみた。
袋を空けると、まずその香りに驚愕する。
酸っぱい! 酸っぱいぞ!
ワインビネガーみたいな、なにかしらが発酵したようなにおいが鼻をつく。しかもかなり強め。ここまで強い香りを放つ豆ははじめてだよ。
そして豆を見て驚く。
黒い! 黒いぞ!
黒豆ですか? といわんばかりの色。しかも全部じゃなく、まだらに入っているのでブレンドしてあるのかもしれない。
とにかく香りと色が初体験で、この時点でワクワクが止まらない。
で、焼いてみた。
焙煎中は、ほかの豆とは明らかに違う手応え。
まず温度の上がり方が顕著に遅い。豆が硬くて大きいということもあるのだろうけれど、それにしても遅いので、最大火力を普段よりも上げて対応。
すると、ほかの豆よりもかなり早いタイミングでハゼはじめ(これはきっと火力を強くしたせい)、2ハゼのタイミングも当然早く、2ハゼピークを迎える温度もほかの豆よりも低く、感覚を頼りに煎り止め。
見た感じはフルシティで、豆の重さの変化もほかの豆とほぼ一緒(ちなみに、いつもやっている焙煎だと、だいたいどんな豆でも生豆250gで煎り上がりは205〜207gになる。今回もこの範疇)。
驚いたのが焙煎後の豆の香り。もう強烈なワインフレーバー。というか、香りは赤ワインのそれ。良いのか悪いのか判断に困るけれど、とてもコーヒーとは思えない、そんな感じ。
いつものように、翌日ラテに……するも、これが一筋縄ではいかなかった。
とにかくメッシュがあわない。
豆が異様な硬さのようで、普段使っているグラインダーの調整範囲を大きく超えた細挽き設定にして、ようやくメッシュがあった。
水分はいつもどおり飛んでいるはずなのに、この硬さ。こんな豆はじめてだなー。
そしてグラインドされた豆からの香りも当然のように強烈で、ワインを粉末にしたような感じ。
さて、肝心のラテの味はどうか!?
うおおおおおお……なんだこれは!?
まず感じるのが酸味。フルシティまで焼いているのに酸味がまずくる。そのあとにワインのタンニンを感じさせるような渋み。この渋み、もうちょっと控えめだとコクとか奥行きに貢献してくれそうだけれど、なにしろこのファーストインパクトがすごすぎて、これが良いのか悪いのかちょっと判断に困る。
あえていうならカフェラテではなく、ホットワインにスチームドミルクを混ぜたもの……という感じ。
奥様も「この豆100%だとキツイ!」と、眉間にしわをよせる。
とにかく個性的で、これが好きかどうかと言われると、ちょっと微妙(笑)。個性的な豆は好きなほうだけれど、これはやりすぎかもしれない……。
ドリップでもホットワイン的な味はそのままで、コーヒーを飲んでいる感じがしない(笑)。
まだ1回しか焼いていないので、もうちょっと時間をかけてじっくり焼けば渋みは抑えられるかもしれないけれど、すぐにはまた焼く気にならない……。そのうち気が向いたら再度焼いてみようかな。
というわけで、残りの豆はひとまず必殺真空パックだ。