フィルターバスケットに粉を均等に詰めてくれる「ディストリビューションツール」を使い始めて約2年(早いなぁ)、巷のサイトを見ても商品の紹介はあっても具体的な使い方まで触れられていないことが多いことに気づいた。
そこで、ぼくなりの使い方とポイントを軽く紹介。
突き出し量は「控えめ」よりも「多め」がおすすめ
いきなり結論に入るけれど、ベース部分をどのくらい出すかという「突き出し量」は、控えめにするよりも「ちょっと出しすぎなんじゃ」というくらいの量がおすすめ。
その理由は、突き出し量を控えめにするとバスケットの表面のみを均すことになり、下のほうは不均一のままになってしまうから。
その状態でタンピングをすると不均一なままコーヒーを押し固めることになるから、結果的にチャネリングや偏った抽出につながりやすくなる、というわけ。
だからイメージ的にはディストリビューションツール7割、タンパー3割くらいの感覚かな。タンパーはもう、バスケットのキワキワをきちんとタンプしてあげて表面を均す、仕上げみたいな感じで使う。少なくとも、ぼくは。
じゃあ、突き出し量をどのくらいにすればいいのか?
個人的に推奨したいひとつの目安が、タンパーで仕上げたときに、タンパーベースがほとんど沈まない程度。
突き出し量を多くしてディストリビューションツールの自重による圧力をバスケット内のコーヒーにかけながら動かす(回す)ことで、バスケット内のコーヒーを均一にしていく。
“自重による圧をかけながら”というのがポイントで、セントアンソニー「BT Wedge Coffee Distribution Tool」のようにベースの形状がくさび形のツールであれば、回し始めのうちは粉の抵抗で少し重く感じるはず(これが大事)。ここであまり抵抗がないようなら突き出し量が足りない。
ただし、ディストリビューションツールをはずしたときにコーヒーの表面に跡がついてしまうほどに突き出し量を多くするのはNG。あくまで跡が残らない程度にすることがポイント。
上記ができれいれば大丈夫だと思うけれど、あとは実際にタンピングして、ベースがほとんど沈まなければOK。数ミリでも沈んでしまうようなら、突き出し量をもっと攻めることができるので、調整してみるのもいいかもしれない。
と、ここまでは先にも書いたようにベース形状がくさび形のツールの話。これがOCDみたいな形状のものだと、この調整方法で良いのかどうかはわからない……。