nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

初体験。猿田彦のバレルエイジドコーヒーを試してみた

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最近、バレルエイジドコーヒーの記事をアップしたり調べてみたりしてはいるものの、肝心なことがひとつ抜けていた。それは、ぼく自身がまだ飲んだことがないということ(笑)。

 

なんてこった。

 

ならば買ってみようとネットで調べてみたところ、有名どころとして出てくるのはCOOPER'Sのもの。良さそうだなと思いつつも、海外焙煎ゆえに鮮度が心配なので保留。スタバのものもヒットするけれど、こちらも鮮度が期待できないので以下略。ネットで買えるのかもわからないしね。

 

そんななか白羽の矢を立てられたのが猿田彦珈琲のバレルエイジドコーヒー。

 

何気に猿田彦コーヒーって利用したことがないので、ココのハウスブレンド的な豆と一緒に買ってみることに。しかも猿田彦のバレルエイジドコーヒーは、ぼくがエチオピアのなかでも最も好きなコチャレ・ナチュラルを使っているからこれまた期待大。ローストレベルが中煎りと深煎りがあり、買ったのは深煎りのほう。

 

購入量は100g(なのでメッシュを1発で合わせたい)。焙煎日は書いていないけれど賞味期限が設定してあり、そこから推測するに、おそらく賞味期限の3ヶ月前が焙煎日と思われる。ちなみに、手元に届いた豆は予想焙煎日から約2週間後なので、年末年始を挟んだことを考慮すると、ネットで買える豆としては鮮度は悪くないかな。

 

さあ、そんな猿田彦のバレルエイジドコーヒーにご対面〜。

 

うわー、けっこうな深煎り。フレンチくらい。そして、当たり前だけれど香りがものすごいウイスキー(笑)。

 

ウイスキー的すぎてコーヒーの香りというか、コチャレ・ナチュラルらしいフレーバーがほとんどない。あくまで豆からはね。

 

なんの情報も与えずに、とりあえず豆の香りを奥様に嗅がせてみたところ……「ええー、これ飲むの?」と、怪訝そうな表情。そして「歯医者で歯形をとったあとのにおいがする」と、アルコールがからんでいるので当たらずとも遠からずな感想をいただく。

 

ちなみに、奥様は香りが際立ったコーヒーが苦手だ。大嫌いなコーヒーの筆頭がエチオピアなので、今回のテイスティングは酷かもしれない(笑)。

 

挽いてみると、大枠の印象は変わらないものの、その香りはより鮮烈に。プラムを含んだお酒のような、果実酒的な印象(←酒を飲まない人の感想)。たしかに普通のコーヒーにはない強烈な香り。

 

さて、いよいよカフェラテに。いわゆるバレルエイジドラテ。

 

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メッシュは1発目はちょっと合わなかったけれど、2発目にはだいたい合わせることに成功。

奥様と一緒にテイスティング。

 

肯定的な意見は期待していなかったけれど、奥様曰く「リカちゃん人形を口に入れてチュパチュパしたときの味」という、独特な表現で“口に合わない”ことをアピール。

 

続けて「これはあれだね、マニアのためのコーヒーだね」と、バレルエイジドコーヒーの価値は認めつつも、あくまで自分は苦手であるというスタンスを崩さない。

 

なるほど、そういう感じな。

 

いっぽう、ぼくの感想はというと、大好きではないけれど、これはこれでアリかなという、わりとポジティブ寄りな印象。

 

お酒を飲まないぼくにとってウイスキーのニュアンスが邪魔にならないか心配だったけれど、それは意外にも大丈夫だった。ウイスキーとコーヒーとの相乗効果というのかな、味わったことがないおもしろいフレーバーになっていて、これはこれですごく新鮮。

 

相変わらずエチオピアというかコチャレ的な味はあまり感じられないものの、フレンチくらいの深煎りにもかかわらず苦味は控えめ、かつ酸味もほとんどなく、鮮烈な香りとミルクの甘み、そして控えめなコクで成り立っているカフェラテ、という感じ。

 

そのいっぽうで、もしかするとコチャレとウイスキーとの相乗効果によってこの味とフレーバーになっているのだとしたら、コチャレじゃないとこの味にならないんだろうな、とも。

 

となると別の豆、ブラジルだったりコロンビアだったり別の産地の豆を使うとどうなるのか、とか、ウイスキーじゃなかったらどんなフレーバーになるのか、とか、興味は尽きない。

 

さて、次にドリップなんだけれど、これがね、もうビックリですよ(写真撮ってないけど)。

 

ラテだとなりをひそめていたコチャレ感が、これでもかといわんばかりに強調されて前面に出ている。

 

コチャレ特有の強いワイニー感がウイスキーによって強調されているというか、ウイスキーとコチャレが渾然一体となっているというか、とにかくまとまり感がすごい。ひとことで表現すると、ウイスキーをまとったモカ。

 

これをひと口飲んだときに思ったのは“ああ、この豆はラテにしちゃダメだったんだな”と。そのくらい強烈。いや、ラテにはラテの良さがあるはずなんだけれど、ドリップのほうが良さが際立つというかね。

 

その風味は、単体で見ると複雑な形をしているふたつのピースが寸分違わずぴったりとハマっているかのようで、よくもまあこんなにきれいにまとまったなと、感心するくらい。このウイスキーのフレーバーにはどのコーヒーが合うか、相性を考えて考えて考え抜いた結果がこれなんだろうな、と。

 

いやー、おもしろいなぁ。

 

と、感心すると同時に、バレルエイジドコーヒーとはこういうのものである、ということを知った2021年初頭なのでした。

 

ちなみに、ハイボールでお酔いになられている奥様にドリップを試飲してもらったところ「香りは嫌だったけれど、飲んだら意外と大丈夫!」とのこと。ラテより全然イケるらしい。あれ、おかしいな……。

 

sarutahiko.co