nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

約100日ほど熟成させたボトルエイジドコーヒーを焙煎してみた

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「早く焼かなきゃ」と思いつつも約3ヶ月強、このエントリーで仕込んだボトルエイジドコーヒーをついに焼く日がやってきた。

 

だいたい100日ほど経ったかな。

 

ボトルから豆を出すと、強烈とまでは言わないまでも、それなりに強い香り。“樽フレーバー”を仕込んでいたからか、ボトルだけで香りをつけたときよりも強く香っている気がする。

 

ちなみに、当然といえば当然だけれど、樽フレーバーはカラカラに乾いた状態になっていた。

 

では仕込む前とあとで重さに変化はあったのか、というと、ありました。

 

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仕込む前は250.5gだったのが、仕込みあとで254.5gに。この4gの増加が、どう味に変化をもたらすのか。

 

さあ、焼いてみよう〜。

 

以前ボトルエイジドコーヒーを焼いたときは初期の温度上昇率が鈍く、火が入りにくかった印象があったので、いつもよりも投入温度を下げ、ドライエンドまでの時間を長くとって、ゆっくりと温度を上げていく作戦をとった。


ドライエンドまでは予定どおりいったものの、それ以降の火力が強かったのか(火力は普段どおりなので、この豆には強かった?)、思ったよりも早く進行してしまい、温度を見ていたら煎り止めのタイミングを完全に逃すという大失態。予定よりも早く、深く焼いてしまったのでした。

 

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フルシティで煎り止めるつもりがフレンチになっちゃった。明るい場所で撮ったので写真で見るとそうでもないけれど、実際はかなり色が濃くてテカりが出てきている状態。

 

そのときの焙煎ログがこちら。

 

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完全に1ハゼ以降の進行が早すぎた。後半はもう少し火力を絞るべきだったかな。

 

で、焼きすぎた証拠が重量差。焼き上がりの重量が-20.6%だもの。いつもは-18%くらいにおさめているので、これがどれだけ大きい差かは焙煎している人ならわかるはず。

 

でもって翌日テイスティング。

 

奥様は最近いつもアイスカフェモカなので、この豆でアイスカフェモカを提供。いつもより深煎りだからメッシュが少しズレてる(要は抽出が遅い)……。

 

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なにも情報を与えないで、いつものように渡したら、いつものように飲む奥様。そしてとくに反応もなし。

 

ぼく:あれ? どう?(すぐに気づくくらい違うはずなんだけどな)

奥様:?? これ、もしかしてエチオピア?

ぼく:違うよ。ブラジルだよ。

奥様:うそだ。こんなにフルーティーな感じしないもん。

ぼく:じつはボトルエイジドなのでした。

奥様:ああ、そうなんだ! すごいね、こんなに変わるんだね。

ぼく:で、どう?

奥様:うん、美味しいよ。オシャレなカフェで出てきそうな味。

ぼく:好きか嫌いかで言うと?

奥様:これは好きかも。最初エチオピアかと思ったけど。

 

ということで、アイスカフェモカは好評。

 

さて、ホットのカフェラテはどうか(僕は豆の味を確かめるために真夏でもホットを飲む)。

 

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もうなんかね、エスプレッソの質感がめっちゃいい。好み。粘度がすごい。普段のブラジルショコラよりも粘度がある。これは焙煎のプロファイルが違うからかな。

 

ローストが深いからか色も濃いめに出てくれて、カフェラテにするとミルクの白が映える〜。

 

で、味はというと、美味しい

 

洋酒入りのホットチョコレートような、甘さのなかにウィスキー感があるカフェラテ。

 

コーヒー豆は焼きすぎた感はあったものの、苦味よりも甘さとコクが際立っていて、意外とこのくらいの焙煎度も悪くないなと思ったほど。

 

1ハゼ以降が早すぎたものの、ドライエンドまでの時間をしっかりと取っていたのが功を奏したもかもしれない。これが全体的に短時間だと、きっとえぐみが乗っちゃっていたかもね。

 

肝心のウィスキーの風味は、強すぎず弱すぎずといった感じで、わりとちょうどいいかな。これ以上強いと、ちょっとくどいかもしれないと考えると、やっぱり樽で熟成する必要はあんまりないのかもしれない……(今、絶賛熟成中だけれど)。

 

ちなみに前回はカルヴァトス、今回はウィスキーのレッドラベルを使ったボトルエイジドコーヒーだったけれど、お酒の種類の違いまで感じられるかというと、正直わからない(笑)。飲み比べたらわかるかもしれないけれど、良いのか悪いのか、普段お酒を飲まないぼくには同じようなニュアンスに感じられた。

 

最後に、写真はないけれどドリップでもテイスティング。暑いから最近はもっぱらアイスだけどね。

 

アイスコーヒーにしたら、というか、ドリップ中から香りがものすごい。リキュール的な香りがフワーっと広がって、香りだけ嗅ぐとものすごく美味しそうで幸せな気分になる。

 

ところが、味はというと、ぼくたちにはちょっとウィスキーのフレーバーが強すぎたかもしれない(豆の量を減らせばいいかも)。コーヒーの苦味が、なんだかリキュールが本来持つ苦味と重なって、コーヒーを飲んでいるのではなく、ノンアルコールのお酒を飲んでいるような感覚になる。

 

先も書いたように、豆の量を減らすことで調整できるとは思うけれど、良くも悪くもカフェラテよりもウィスキー感が強いので、これは好みがわかれそう。

 

お酒大好きな奥様ですら「これは苦手かも。ラテと全然違うね」という感想。「エスプレッソで抽出してアフォガートにすると美味しそう」とも言うので、近々やってみるつもり。

 

ポジティブな印象、ネガティブな印象、いろいろあったけれど、ボトルエイジドコーヒーは手軽だし、新しいコーヒーの楽しみ方のひとつとしてとてもおもしろいと思う。今まではブラジルばかり入れていたけれど、そろそろエチオピアでやってみようかなー。

 

ボトルエイジドコーヒー、バレルエイジドコーヒー、引き続きやってみます。 

 

■6月20日追記

 

ボトルエイジドの豆でアフォガートをつくってみた。

 

もう、めっちゃ美味い。まさにコーヒーとウィスキーとバニラアイスの絶妙なコラボ。

 

バレルエイジドコーヒーもそうだけれど、この手のお酒のフレーバーが入ったコーヒーって、なぜか寒い時期に話題になることが多いけれど、暑いときにこうしてアフォガートにするのは全然アリというか、むしろこの用途が最も向いているんじゃないかと思ってしまったくらい。

 

ボトルエイジドコーヒーでアフォガート、超おすすめ。