nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

Varia VS3グラインダーが気になる

「SCAJ 2002」で初お披露目になった電動グラインダー「Varia VS3」がとても気になっている今日このごろ(写真はオフィシャルサイトから拝借)。

 

とりわけSNS界隈では、その話題で持ちきりだったようで、実際に現物を見て、触った人が羨ましい。

 

どのへんが食指に触れたかというと……

・最近流行りのリテンション(粉残り)が少ない設計で、
・刃がコニカルで、
・シングルドーズ(要はコンパクト)で、
・調整幅が広く、かつ無段階、しかもわかりやすい
・でもって安い

という。

 

これまでの家庭用グラインダーのトレンド

 

今まではどうだったか?

 

ひと昔前まで、エスプレッソマシン、とりわけセミコマーシャルマシンで使うグラインダーといえば、ランチリオロッキーだったり、マッツァーミニだったり、家庭用というよりは小さな店舗向けともいえるサイズの機種が定番だった。

 

 

家で使うにはもてあます巨大なホッパーを備えたグラインダーは、見た目こそ格好いいものの、粉残りが多かったり、本体サイズが大きかったりして、なかなか日本のキッチンに置くには厳しかった。

 

にもかかわらず、長年、ホームユースにおけるハイエンドグラインダーの座にマッツァーミニが君臨し続けたのもまた事実で、これは「ほかになかった」というのが正直なところ。いや、本当はほかにもあるんだけれど、ブランドの知名度とユーザー数から「マッツァーミニ買っとけば間違いない」という風潮があった。

 

ところが、そのトレンドにも変化が出てきた。

 

きっかけは、もとアップルのエンジニアが開発したWEBER WORKSHPS The EG-1 の誕生から(だと個人的には思っている)。

 

 

ホッパーを排除したシングルドーズ設計に加え、粉残りを極限まで減らすことを目的に本体(刃)を斜めにしたデザイン、メッシュもドリップからエスプレッソまでカバーするなど、それまでのグラインダーの常識を完全に覆した。

 

あれを初めて見たとき「なんだこれは」と思ったもんね(笑)。

 

EG-1の設計思想が、家庭で極上の一杯を淹れたいホームバリスタの心に刺さったことは言うまでもなく、それからシングルドーズとローリテンションを視野に入れたホームユースをターゲットとしたグラインダーが続々登場。

 

Niche Zero(ニッシュゼロ)やEureka ORO MIGNON SINGLE DOSE(エウレカ オロ ミニヨン シングルドーズ)、CoffeeTech DF64(コーヒーテック DF64)、ちょっと高価になるけどOPTION-O(オプションオー)のグラインダーなんかはその筆頭で、コンパクトなのに高性能(挽き目が均一で粉残りが少ない)、しかもスタイリッシュという点で昨今、注目されている。

 

で、これらのモデルのヒットが、それまでの「こだわるなら業務用の高価で巨大なグラインダーを使うしかない」という、ある種の家庭におけるエスプレッソグラインダーのトレンドを軌道修正してくれたように思う。

 

コニカルを使いたいワケ

 

そこにきてのVaria VS3。

 

今はフラット刃のQuamar M80Eを使っていて、コレ4代目なんだけれど、それまでは全部コニカルで、またコニカル使いたいなーDF64がコニカル刃だったらなー、なんて思っていた矢先に発表されたのがVaria VS3という。

 

どうしてコニカル刃が好きなのかというと、ひと言で言うと、フラット刃よりも味がよく出るから。

 

コニカルをずっと使っていて、同じ豆をフラットのグラインダーで挽くと、味がかなり変わる。ざっくり言うと、味がクリアになる反面、コク、奥行きが犠牲になって、個人的にはつまらない味になる(気がする)。

 

だから昨今の“酸”にフォーカスしたコーヒーのトレンドだとフラットが合っているように思えるけれど、ぼくのようにコクと甘さを重視するスタイルだとコニカルが合っているような気がするのよね。

 

で、コニカルのほうが味が良く出るというのは科学的にも証明されていて、要するにグラインド方式の違いによって、グラインドしたあとのコーヒーパウダーの形状が変わるからなんだそう。

 

フラットは角柱、コニカルだと少しいびつな多角形の球体になるようで、コニカルのほうが表面積が多くなる分、抽出効率が上がり、良くも悪くも味がはっきりと出やすいということらしい。

 

自分で実験・検証したわけじゃないけど、これは体感的にそう感じる。

 

エントリー機にコニカルが多く、中級機以上はフラットが中心になるので、初心者はどうしても性能的にコニカル<フラットと思いがちだけれど、じつはそんなことなくて、自分が求めている味の傾向に合わせて選ぶことが大事と思っている今日この頃。

 

というわけで、VS3。シングルドーズで前のめりのナナメデザイン、メモリが見やすい無段階調整に加えてドリップからエスプレッソまでカバー……というところが良いよね〜と。

 

価格も5万弱と、そこまで高くないので、ちょっと本気で買い換えを検討中〜。