下北沢の名店「BEAR POND ESPRESSO」に、いわば固形のエスプレッソとでも言うべき、とても珍しい商品がある。前からずっと気になっていたんだけど、それをようやく味わうことができた。やったー。
「“EXPERIENCE”coffeedust bar（以下コーヒーダストバー）」と呼ばれるそれは、一見すると板チョコレートのような形状のもの。ところが、カカオ等の成分は一切入っておらず、コーヒー豆（フラワーチャイルド）を主原料とし、これに砂糖、粉乳などを混ぜて練り固めた新感覚の食品。
店主である田中さんの独自レシピ・ハンドメイドによるもので、味はもちろんのこと、包み紙や包装の仕方にいたるまで、こだわりが詰まった入魂の商品なのだ。
このコーヒーダストバー、誕生のいきさつなどは「料理通信」の特集がよくまとまっているので、そちらをどうぞ。
でね、食べてみたわけですよ。
堅さは、少し柔らかめの板チョコのような感じ。手で簡単に割ることができる（ワインセラーで冷やしておきました）。
口に入れて、まず感じるのは深煎りコーヒー豆特有のスモーキーなフレーバー。それが鼻に抜けたかと思うと、舌の上でほろほろと溶け始め、やさしい甘さが広がっていく。
言葉でいうと「にがあま」という表現がピッタリで、コンセプトにあるとおり、コーヒー豆「フラワーチャイルド」をそのまま舌で味わっているような感覚。
前にも書いたことがあるけど、フラワーチャイルドって買うタイミングによってビックリするくらい味が変わる豆で、今回買ったコーヒーダストバーは、個人的に“当たり”だと思ったときのフラワーチャイルドの味そのもの。あの味がこういう形で体験できるというだけでも衝撃的。
これは美味いわー。マジで癖になりそう。
あと噂には聞いていたけれど、食感が独特で、粉っぽいといえば聞こえが悪いかもしれないけれど、ココアの粉末を舌の上で溶かしているような、そんな不思議なテクスチャー。明らかにチョコレートのそれとは違うもので、おもしろい。
ちなみに家族の感想はというと……
「口のなかで焙煎しているみたいな味」by 奥様
「悪くない」by 小学4年生の子ども
という、可もなく不可もなく……というコメント（笑）。ぼくは大好きな味なんだけどなぁ。
というわけで、下北沢に行く機会があったら、ぜひお試しを。
