“なんかレバーの感触に違和感あるんだよなぁ”と思いつつも騙し騙し使ってきた我がGiotto。
そろそろ年末だしってことで、購入7年目にして、ようやくE61グループヘッドのメンテナンスを実施。これまでレバーのガスケット交換やグリスアップやらはやっていたのだけど、全バラししたのは初めて。
なので、備忘録も兼ねて簡単にその模様をご紹介。
E61グループヘッドメンテナンスの手引き
今回のバラし&メンテナンスで参考にしたのが、これらの動画とパーツの資料。これを観ておけば大丈夫。
もっとも、E61系の資料や情報はネット上にゴロゴロ転がっているので困ることはないはず。
パーツリストの例がこちら。
必要なレンチのサイズ
グループヘッドをバラそうとすると、意外と大きなレンチが必要になる。モンキーでもいいけれど、一応何ミリが必要かを書いておくと、こんな感じ。
E61グループ用パーツの罠。RepairKitでも互換性がないことも!?
この手の作業はだいたい消耗品を交換する必要が出てくるので、じつはあらかじめリペアキットを購入してあった。
ぼくが買っていたのはコレなんだけど、じつはコレ、間違っているということに気づいたのは作業を始めてからの話(笑)。
E61グループのリペアキットという意味では間違ってはいないのだけど、不必要なパーツが入っていたり、逆に必要なパーツが入っていなかったり、さらにはRocketのマシンとは互換性がなかったりするのでした。
まあ確かにE61にもバリエーションがあるのは知っていたけれど、パーツまで違うとは思っていなかったので、これにはちょっと参った。
まず「カムシャフト」がGiottoでは使えない。これが今回最大の痛手で、カムシャフト単体で再注文を強いられた。
あと「緑色のガスケット」が3コあるので各バルブのガスケット、パーツリストでいうところの「519545」かと思っていたら、厚みが微妙に違っていて、使えなくもないけれどレバーの感触が変わるという現象が出たので、2コしか入っていない「黒いガスケット」を使うことにした。こちらだと全く問題ない。どうして2コしかないのかは謎(バルブ用だと3コ必要)。
加えて、このセットには上記パーツリスト「700805」のフィルターが入っていなかったりもする。
かと思えば、Giottoでは使っていないパーツが入っていたりするので、Rocketのマシンで使うのならこのセットではなく、別のちょうどいいセット(なかなかないんだけど)か、単品で買うことをおすすめする。
上まわり
まずは上まわり。22mmのトップナットを外し、なかのフィルターを取り出したら、36mmのマッシュルームヘッドをゆるめて引っ張り出せばOK。いきなりマッシュルームを引き出してもいいけど、先に22mmを外しておいたほうが楽。
7年間ほったらかしだったマッシュルームは、ある意味、予想よりはマシだったものの、それなりに汚れていた。当然といえば当然か。そもそも海外でよく見るようなスケールの塊がなかったからホッとしたところもある。このへんは日本の軟水のおかげでもあるし、ブリタのおかげでもありそう。
マッシュルームとヘッドのナット、フィルターはクエン酸につけ込んでデスケーリング、その後、こすり洗いして完了。
ひととおりバラしたら、今度はレバーの動きに合わせてヘッドにお湯を送る役割を持つブリューバルブのガスケットを交換。これがとても劣化して、かつ汚れていたので、購入したリペアキットに付属している緑のガスケットに交換したものの、このガスケットのサイズが微妙に大きく……。
機能的には問題ないものの、組み上げてテストしたらレバーの感触が変わってしまい、ちょっと気になったので、キットに入っていた新品のブリューバルブと2コしか入っていない謎の黒いガスケットにリプレイス。このキットに入っていたブリューバルブは上部のロッドが少し長かったけれど、組んでみたら問題なったので結果オーライ。
ちなみにブリューバルブは先のパーツリストでいうと460001、460007、519545のガスケット、547322、460009の5つのパーツで構成されていて、一応これらはぼくが買ったリペアキットにも入っていたので、まるまる新品にできた(上に書いたようにロッドの長さは違えども)。
抽出レバーまわり
次に抽出レバー。ここは以前、抽出中にレバーからお湯がリークしてきたのでガスケットを交換したことがある。
バラすのは簡単で、レバー右側面のボルトをマイナスドライバーで外したら、順番に24mm、26mmとナットを順番に外していけばOK。全く難しくない。
ひととおりバラしたら念のためにカムシャフトのガスケットを交換。このときしっかりとグリスアップもしておく。グリスはカムにも忘れずに。
下まわり
下まわりのバラしは最も簡単。
根元の36mm、先端の26mm、どちらが先でもいいけれど、とにかく外せばバラせる。
プリインフュージョンバルブ、ドレンバルブのふたつのバルブがこのなかにあるけれど、バルブのガスケットはブリューバルブほど摩耗していないようなので、こちらは交換なし。
ただ、プリインフュージョンバルブのカムに接触するパーツ(460004)が例によって激しく摩耗していたので、リペアキットのなかから合うものに交換。
このパーツ、ブリューバルブでも同様だけれど、いくつか長さがあって、どれを使っても機能する。ただ、カムとのクリアランスが変わるので、長くするほどレバーの動き(ポジション)に敏感になり、短くするほどポジションに対する反応がルーズになる。
言い替えると、長さが違うものに交換したり、ワッシャーの枚数を変えたりして間接的に長さを変えることで、お好みのレバーの感触に調整することができる、というわけ。そういう意味では、少々カムが摩耗していても、意外となんとかなる。
まとめ
今回、結局やったことといえば、ガスケット交換、グリスアップ、そして掃除、の3つ。
上記ではバルブのガスケットのみを交換したように書いているけれど、実際はテフロンガスケット(白いやつ)もすべて交換した。
グリスアップは、カムまわり、そしてシャフトの可動部にしっかりと、が基本。当たり前だけれど食品機械にも使えるグリスを使う。ぼくが使っているのはコレ。
掃除に関しては、スケール汚れをクエン酸溶液につけて落として、あとは食器用洗剤などでこすり洗い。あまり深追いすると大変なので、ほどほとに。
で、メンテ後のマシンの使いごこちは最高。レバーの動きがとてもイイ感じ。本当はもうちょっと短いスパンでメンテナンスすべきだと思うので、今度からそうしよう。
カムシャフトの新品が届いたので比較
後日、注文していたカムシャフトが届いたので、改めて比較してみた。