nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

E61グループヘッドのメンテナンス

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“なんかレバーの感触に違和感あるんだよなぁ”と思いつつも騙し騙し使ってきた我がGiotto。

 

そろそろ年末だしってことで、購入7年目にして、ようやくE61グループヘッドのメンテナンスを実施。これまでレバーのガスケット交換やグリスアップやらはやっていたのだけど、全バラししたのは初めて。

 

なので、備忘録も兼ねて簡単にその模様をご紹介。

E61グループヘッドメンテナンスの手引き

今回のバラし&メンテナンスで参考にしたのが、これらの動画とパーツの資料。これを観ておけば大丈夫。

 

もっとも、E61系の資料や情報はネット上にゴロゴロ転がっているので困ることはないはず。

 

youtu.be

youtu.be

 

パーツリストの例がこちら。

https://www.coffeeparts.com.au/parts-by-brand/home/rocket/rocket-spare-parts-1-group-head-e61-lever-operated

必要なレンチのサイズ

グループヘッドをバラそうとすると、意外と大きなレンチが必要になる。モンキーでもいいけれど、一応何ミリが必要かを書いておくと、こんな感じ。

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↑22mm、24mm、26mm、36mmの4サイズが必要。大きめと小さめのモンキーレンチ2本あれば事足りるはず。

 E61グループ用パーツの罠。RepairKitでも互換性がないことも!?

この手の作業はだいたい消耗品を交換する必要が出てくるので、じつはあらかじめリペアキットを購入してあった。

 

ぼくが買っていたのはコレなんだけど、じつはコレ、間違っているということに気づいたのは作業を始めてからの話(笑)。

www.bellabarista.co.uk

 

E61グループのリペアキットという意味では間違ってはいないのだけど、不必要なパーツが入っていたり、逆に必要なパーツが入っていなかったり、さらにはRocketのマシンとは互換性がなかったりするのでした。

 

まあ確かにE61にもバリエーションがあるのは知っていたけれど、パーツまで違うとは思っていなかったので、これにはちょっと参った。

 

まず「カムシャフト」がGiottoでは使えない。これが今回最大の痛手で、カムシャフト単体で再注文を強いられた。

 

あと「緑色のガスケット」が3コあるので各バルブのガスケット、パーツリストでいうところの「519545」かと思っていたら、厚みが微妙に違っていて、使えなくもないけれどレバーの感触が変わるという現象が出たので、2コしか入っていない「黒いガスケット」を使うことにした。こちらだと全く問題ない。どうして2コしかないのかは謎(バルブ用だと3コ必要)。

 

加えて、このセットには上記パーツリスト「700805」のフィルターが入っていなかったりもする。

 

かと思えば、Giottoでは使っていないパーツが入っていたりするので、Rocketのマシンで使うのならこのセットではなく、別のちょうどいいセット(なかなかないんだけど)か、単品で買うことをおすすめする。

上まわり

まずは上まわり。22mmのトップナットを外し、なかのフィルターを取り出したら、36mmのマッシュルームヘッドをゆるめて引っ張り出せばOK。いきなりマッシュルームを引き出してもいいけど、先に22mmを外しておいたほうが楽。

 

7年間ほったらかしだったマッシュルームは、ある意味、予想よりはマシだったものの、それなりに汚れていた。当然といえば当然か。そもそも海外でよく見るようなスケールの塊がなかったからホッとしたところもある。このへんは日本の軟水のおかげでもあるし、ブリタのおかげでもありそう。

 

マッシュルームとヘッドのナット、フィルターはクエン酸につけ込んでデスケーリング、その後、こすり洗いして完了。

  

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 ↑トップから“マッシュルーム”を引き抜いたところ。正直きたないけど、思っていたよりはきれい。そもそも目立ったスケールがないもの。このへんはブリタ様々!? もちろん、このあとできるだけキレイにする。

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↑マッシュルームが刺さっていたところ。このなかもそれなりにきたないけれど掃除のしようがないので、軽く拭く程度にとどめた。で、穴からスプリングとブリューバルブを引き抜けば上まわりのバラしは完了。

 ひととおりバラしたら、今度はレバーの動きに合わせてヘッドにお湯を送る役割を持つブリューバルブのガスケットを交換。これがとても劣化して、かつ汚れていたので、購入したリペアキットに付属している緑のガスケットに交換したものの、このガスケットのサイズが微妙に大きく……。

 

機能的には問題ないものの、組み上げてテストしたらレバーの感触が変わってしまい、ちょっと気になったので、キットに入っていた新品のブリューバルブと2コしか入っていない謎の黒いガスケットにリプレイス。このキットに入っていたブリューバルブは上部のロッドが少し長かったけれど、組んでみたら問題なったので結果オーライ。

 

ちなみにブリューバルブは先のパーツリストでいうと460001、460007、519545のガスケット、547322、460009の5つのパーツで構成されていて、一応これらはぼくが買ったリペアキットにも入っていたので、まるまる新品にできた(上に書いたようにロッドの長さは違えども)。

 

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↑問題のブリューバルブ。黒いガスケットが変形しているうえに、ゴミ(コーヒーのカス?)が固着していた。上のYouTubeで観た映像そのまんまの状態。しかもカムと接触している部分がかなりすり減っている(写真ではわからないけど、斜めに摩耗している)。ブリューバルブのガスケットが劣化すると、本来はグループヘッド内に満たされているお湯(水)が使用していない間に少しずつ漏れてしまうため、次に使用する際、電源を入れて放置しても水がないためヘッドが暖まらなくなってしまう。

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↑とりあえず緑のガスケットに交換。しかし、よーくみると厚みがあり、上部に少しだけハミ出ているのがわかるはず。シールすることが目的なので、この状態でも使えなくもないけれど、レバーの感触が変わるので黒いガスケット&ブリューバルブまるまる新品に交換した。

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↑上まわりのパーツ群。マッシュルームその他はクエン酸溶液に浸してデスケーリング。まだちょっと汚れている気がしないでもないけど、まぁいいかな。

抽出レバーまわり

 次に抽出レバー。ここは以前、抽出中にレバーからお湯がリークしてきたのでガスケットを交換したことがある。

 

バラすのは簡単で、レバー右側面のボルトをマイナスドライバーで外したら、順番に24mm、26mmとナットを順番に外していけばOK。全く難しくない。

 

ひととおりバラしたら念のためにカムシャフトのガスケットを交換。このときしっかりとグリスアップもしておく。グリスはカムにも忘れずに。

 

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 ↑これがパーツ群。注目すべきはカム。この写真でもよくわかるように、かなり摩耗が激しい。写真では上方向だけれど、実際は下側。つまりプリインフュージョンバルブを押す側になる(どおりでレバーがゴリゴリしたわけだ)。本当はすぐにでも交換したいところだけれど、冒頭で書いたようにリペアキットのカムシャフトが使えないので、新しいパーツが届くまでは、このまま様子を見ることに……。 

下まわり

下まわりのバラしは最も簡単。

 

根元の36mm、先端の26mm、どちらが先でもいいけれど、とにかく外せばバラせる。

 

プリインフュージョンバルブ、ドレンバルブのふたつのバルブがこのなかにあるけれど、バルブのガスケットはブリューバルブほど摩耗していないようなので、こちらは交換なし。

 

ただ、プリインフュージョンバルブのカムに接触するパーツ(460004)が例によって激しく摩耗していたので、リペアキットのなかから合うものに交換。

 

このパーツ、ブリューバルブでも同様だけれど、いくつか長さがあって、どれを使っても機能する。ただ、カムとのクリアランスが変わるので、長くするほどレバーの動き(ポジション)に敏感になり、短くするほどポジションに対する反応がルーズになる。

 

言い替えると、長さが違うものに交換したり、ワッシャーの枚数を変えたりして間接的に長さを変えることで、お好みのレバーの感触に調整することができる、というわけ。そういう意味では、少々カムが摩耗していても、意外となんとかなる。

 

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↑プリインフュージョンバルブのカムとの接触部分。左が摩耗状態で、右が先端だけ新品にした状態。このバルブの先にグリスを塗って組み直せばOK。ブリューバルブとは違って、こちらのガスケットまだまだ大丈夫っぽい。ドレンバルブも同様だった。

 まとめ

今回、結局やったことといえば、ガスケット交換グリスアップ、そして掃除、の3つ。

 

上記ではバルブのガスケットのみを交換したように書いているけれど、実際はテフロンガスケット(白いやつ)もすべて交換した。

 

グリスアップは、カムまわり、そしてシャフトの可動部にしっかりと、が基本。当たり前だけれど食品機械にも使えるグリスを使う。ぼくが使っているのはコレ

 

掃除に関しては、スケール汚れをクエン酸溶液につけて落として、あとは食器用洗剤などでこすり洗い。あまり深追いすると大変なので、ほどほとに。

 

で、メンテ後のマシンの使いごこちは最高。レバーの動きがとてもイイ感じ。本当はもうちょっと短いスパンでメンテナンスすべきだと思うので、今度からそうしよう。

カムシャフトの新品が届いたので比較 

後日、注文していたカムシャフトが届いたので、改めて比較してみた。

 

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 ↑左が新品、右が7年使用後。新品はカムに尖っている部分があるのに対し、中古は完全に丸くなっている。そりゃレバーの感触も変わるわけだ。