毎日、朝食(時間は朝ではないんだけど)を食べたあと、ふたりぶんのカフェラテを淹れるのが日課で、それがかれこれ12年くらい続いている。で、最近、その奥様からよく言われるのが「コーヒーって良い趣味だよね。美味しいラテが飲める私もうれしいし」というお言葉。
いやー、そう言ってもらえると、ぼくもうれしい。
スタバの日本上陸をきっかけにカフェラテにハマり、たまたま蒲田の電気屋でデロンギのエスプレッソマシンを買ってスタバより美味しいカフェラテが簡単に飲めることに驚いてさらにハマり、いろいろなお店で豆を買って楽しんだかと思ったら、それに満足できなくなって自家焙煎に手を出して今にいたるのだけれど、ただただ美味しいカフェラテが飲みたい一心でやっていることだけに、これは趣味なのか? と考えた。
うーん、まぁ、趣味か。
でも、面倒くさいので、できれば焙煎はやりたくないと未だに思っているのは事実です(笑)。
とはいえ、これは前にも書いたかもしれないけれど、最近は以前と違って、エスプレッソマシンの性能だとかハードウェアにはそこまで関心がなくなった。これはホントそう。
今使っているGiotto Evoluzioneも13年目。そりゃ余裕があったら買い換えたいけれど、なんかね、壊れたわけでもないし、別にGiottoでもいいかと思っている昨今。
それはどうしてかというと、カフェラテ(コーヒー)の味に最も影響するのは、マシンの性能云々よりも、生豆の品質だからということを悟ったから。
正直、セミコマーシャルクラスのスチームパワーと保温性が担保できれば、細かいことはホントどうでも良くて、前まで「欲しい」と思っていたPIDですら、別になくてもいいかと思えるほどになった(笑)。
PIDとは、簡単に言うと温度をコントロールできる装置ね。
もっといえば、ちょっと乱暴だけれど焙煎すらそこまで重要じゃないとすら思っていたりもする(大外ししなければ、という前提でね)。
つまり、良い生豆を手に入れさえすれば、普通に焼いて普通に抽出することで、結果的に美味しいカフェラテになる可能性は高い……と思う。もっとも、この“普通”というのが、難しいんだよ、という声もありそうだけど、感覚的はそう。ホント、生豆次第。
そうだなぁ、重要度で言うと、生豆7割、焙煎2割、抽出1割、みたいな感じだけれど、それだと少し極端なので、ちょっと空気を読んで、生豆6割、焙煎3割、抽出1割ってところかな。
いずれにしても抽出はそこまで重要じゃない(と考える)。
もちろん、抽出も温度管理だったり、カフェラテで言うとドージングやタンミング、あとスチーミングも大事ではあるけれど、そこはもう慣れの世界で、だれでも継続してやっていれば一定のレベルにはなるからね。
バリスタという職業のプロの方は、そのレベルが高くて、つねに安定している、ということ。
エスプレッソマシンを触って20年くらい経つぼくですら、そんな高次元のレベルで安定してエスプレッソを抽出する、というのは難しい。そのへんがプロとアマの違い。エスプレッソの完成度を0〜100で表すとして、90は担保できても、残り10の範囲を維持するのはホント難しいのです。
同じようなことが焙煎にも言えて、ある一定のレベルは練習で到達できるけれど、それ以上のレベルを維持するのはプロの領域になる、というわけ。
……あれ……なにが言いたかったんだっけ?
そうそう、そういうごく狭いハイレベルな領域にこだわるよりも、良い生豆を手に入れることのほうが味への貢献度が高いですよ、ということが言いたいんだった。
言い方を変えて、表題の問いである豆、道具、技術、どれがいちばん大事なのか、に答えると、それは間違いなく「豆」だと思う。
じゃあ、良い豆(生豆)ってなんだ? って話になるけれど、それはまた次回。あれ、この話まえにもした気がするけれど、まあいいか。
つづく。