nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

カティモールとの出会い、ベトナム エバーグリーン

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アジアの豆を試してみたいなーと思っても、いざ探すと意外と流通していない。そのなかでも、比較的入手しやすかったベトナムのエバーグリーンをお試し。


500gほど買って、まず半分ほどロースト……するも、ちょっと焼きすぎてしまった。1ハゼ以降の進行が早く、限りなくフレンチ寄りのフルシティに。豆の表面がちょっとテカるくらい。しまった。もうちょっと浅めをねらってたのに。


気を取り直して翌日、ラテにしてみると……!!


エスプレッソの質感がめっちゃイイ! シルキーでクレマたっぷりで、やわらかい。香りもダークチョコを彷彿させるもので、いやがおうにも期待が高まる。


飲んでみた。

 

「……ん? 悪くないけど、期待してたほどじゃないかも……」というのが正直な感想。


ただ、深いローストにもかかわらず、苦味はそれほどでもない、もちろん酸味もほぼ感じない、ダークチョコのような風味が強めだけれど、残念ながらそれを引き立てるほどの甘みがない。もうひとつ言うと、味に奥行きがあんまりない。


これだけ書くと、もうほぼほぼダメな豆のように見えるかもしれないけれど、きっとそれはローストが深すぎたからと予想。なんというか可能性を感じる味なのですよ。こういう風味は中南米やアフリカにはないから、ちょっと新鮮で。


初回は深煎りにしすぎたので、翌週、もうちょっと浅めをねらってローストしてみた。
煎り上がりはイイ感じのちょい深めのシティ。翌日、改めて試飲。

 

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この豆、標高はそれほど高くないのに思ったよりも硬質で、メッシュを普段より3段くらい細くしないと抽出速度が合わなかった。


メッシュを細くしても、相変わらずエスプレッソの質感は素晴らしく、とても滑らか。で、ラテの味は、前回とは全然別モノ。


口当たりがミルクココアのように柔らかく、苦味とコクと甘みのバランスがとても良い。前回とは違って味に奥行きも出てきた。強烈な個性がないので無難な味といえば無難だけれど、同じようにバランスが良い豆の代表格であるブラジルとも少し違い、コクが豊かでどっしりとした系統なので、やっぱり新鮮。すっきりクリアじゃなく、少しアーシーなところも個人的に好きなポイント。


これはこのまま楽しむのも全然アリだけれど、ブレンドに使うと面白そう。

 

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これまで「ミャンマー 星山」「タイ オリエンタルファズ」を試した限りだと、アジアの豆って美味しいけれど、優等生的な無難さがあるなーと思っていたところに出会ったこの「ベトナム エバーグリーン」。


この控えめながらも独特な個性はどこ由来なんだろう? と、調べていくと、それは“カティモール”という品種にヒントがあることがわかった。


このカティモール、平たく言うとアラビカとロブスタを掛け合わせて誕生した品種らしく、ロブスタのDNAを引き継いでいるのだとか。なるほど、あのエスプレッソの質感と独特な味はロブスタ譲りってわけね。ものすごく納得。


ロブスタを使ったブレンド豆でエスプレッソを落とすと、エスプレッソに強烈な個性が加わる。これを好む人、好まない人、いるけれど、ぼくは嫌いじゃないので、俄然このカティモールという品種に興味が出てしまった(ちなみにエバーグリーンは味がロブスタ的というよりもキャラクターがロブスタにどことなく似ている気がする)。いろいろな産地のカティモールを試してみたいところだけれど、カティモールのなかにも複数の種類があるようで、そのへんはわりと混沌としていそうな雰囲気。


そもそも以前試した「タイ オリエンタルファズ」もカティモールだったみたいだけれど、ベトナムほどの個性はなかったような……。ということは、品種が微妙に違うか、その土地の特徴が出ているということなのかな。


とりあえずこの「ベトナム エバーグリーン」、しばらく継続購入して、あれこれ試してみよう〜。

 

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