E61グループヘッドのエスプレッソマシンを使っていると、一定期間ごとにやるハメになるメンテナンスがある。今回たまたまそれをやったので記事化してみた。
そのメンテというのは、バキュームブレーカーの掃除とレバーまわりのグリスアップ(前者はE61限定ってわけでもないけれど)。
バキュームブレーカーの掃除
まずバキュームブレーカーというモノ。
これはボイラーについていて、ボイラーのなかの水が温められて沸騰し蒸気が充満してくるとボイラーにフタをして内圧を上げ、ボイラーが冷めて内圧が下がってきたら今度はフタを開けてボイラーに外気を取り込む、そういう働きをするバルブ。
写真の矢印がそれ。
このバルブが汚れてくると、きちんとボイラーにフタができず、蒸気がチョロチョロと漏れ始めてしまう。仮に漏れたところで内圧が下がるほどではないので、放置しても問題ない気はするんだけれど「ジーーーッ」と、蒸気が漏れる音がし始めるので、ぼくはそれが掃除の合図だと思っている(笑)。
ボイラーに取り付けてあるので、マシンのフタなり天板なりを取り外す必要があって、慣れないとまぁまぁ面倒。慣れたらどうってことないけどね。
で、バキュームブレーカーを取り外して、さらにバラすとこうなる。
左は掃除前。右が掃除後。
とくに中央のシャフトのようなパーツが重要で、こいつを中心に掃除すればOK。
左の写真を見ればわかるように、白っぽいスケールのような汚れ、コイツが蒸気漏れの原因をつくっているので、これをゴシゴシと磨くように落としていく。
シャフトだけでなく、それを入れるハウジングの内側にも汚れがついているので、綿棒なんかできれいにすることも忘れずに。
なんとなくだけれど、ボイラーのスケールを落とすデスケーリングしたあとにバキュームブレーカーからよく蒸気漏れし始める気がするので、なんらかの関係があるのかも。
ひととおり掃除して元に戻せば完了。
レバーのグリスアップ
次にグリスアップ。
E61マシンって、しばらく使っているとレバーの動きが渋くなりはじめる。手応えがゴリゴリしはじめたらグリスアップの合図。
ヘッドまわりのメンテナンスについてはこのエントリーにも書いたけれど、ざっくりと復習すると、マイナスドライバーでレバーを取り外したあと、24mmと26mmのレンチでハウジングを緩めて取り外せばカムにアクセスできる。
カムを取り外したら、汚れを拭き取り、食用機械用のグリスをシャフト部分とカムの部分に薄く塗る。
これは塗るだけだから難しくはないかな。ぼくは手を汚したくないから綿棒で塗っている。
あとはカムだけでなく、グループヘッドのなかにもグリスアップすることも忘れずに。
レバーを取り外した穴の上下にカムが接触するロッドがあるので、そこに薄く塗ればOK。
グリスアップできたら、あとは組み付けて元に戻せば完了。
注意点としてはカムの方向を間違えないようにすることくらいかな。間違えるとレバーが正常に動かなくなるので、すぐにわかると思う。
カムを差し込んだら、ハウジングを本締めするまえにレバーを取り付け、ちゃんとレバーが動くかを確認すると良い。
グリスアップしたあとのレバーは、もう超なめらかでスムース。この作業って地味に面倒だけれど、この動きを体感すると「ああ、やって良かった」と思うのでした。