コーヒーには大きく「クリアな味で美味しいけれど高価なアラビカ」と「個性的な風味と強い苦味で安価なロブスタ」といわれる2種類があって、なかでも後者のロブスタは、やれ缶コーヒー用だとか水増しブレンド用だとか、散々な評価だった。
実際、かなりクセが強くて、ストレートで飲むとちょっとアレだけれど、エスプレッソ用にブレンドで少し入れるのは嫌いじゃない。
以前、インドネシアのロブスタは焼いたときは良くも悪くもロブスタだな、という感想だったのだけれど、最近にわかに話題を集めているのがベトナムのロブスタ。正確にはベトナムのトイさんという方が栽培しているスペシャルなロブスタ。
ロブスタだけど、やっぱり気になる……ということで試してみた。
豆面はロブスタ(笑)。コロコロとして大豆みたいでかわいい。ワイニーとか書かれていたけれど……まぁ、たしかに見た目はナチュラルだし、それっぽい香りもほのかにする。なるほど。
で、薄々予想はしていたものの、これが焙煎難しいのなんの。
ほとんどハゼないのだ。だから火力調整のタイミングがとりづらくて、結局は豆色を温度を頼りにするしかないという。結局、苦くなりすぎるのを恐れて、アラビカよりもちょっとだけ低い温度で煎り止め。
豆の香りは……うーん、ほのかにナチュラルっぽいニュアンスは感じられるけれど、やっぱりロブスタのそれのような。
いつものように翌日カフェラテに。ファインロブスタとはいえ100%ロブスタのカフェラテなんて、自分で焙煎でもしないと飲めないよねーと思いながらつくってみるも、メッシュが合わない合わない。
試しに普段使っているメッシュで落としてみたら抽出が異常な早さで、3秒くらいで止めた(笑)。味は……まぁ、あえて書かなくてもいいかな、という感じ。
後日、メッシュを大胆に変えてなんとかまともに落とせた。
さあ、ベトナムのファインロブスタの実力やいかに!?
まずロブらしい土っぽさがあまりない。あの風味こそロブ、という認識だっただけに、まずそこでビックリ。これがファインたる所以なのかな。
さらにロブスタ特有の力強さとでも言うのかな、荒々しいほど強烈な苦味が全くない。そういうとポジティブに聞こえるけれど、ネガティブな言い方をすると、ボディが弱くて、ラテの味は薄めの無糖ココアみたいな感じ、という表現もできる。
もしかすると焙煎のせいなのかもしれないけれど、味が平坦でちょっと物足りないかなー。
ロブスタと言われないとわからないくらいパンチがないけれど、ロブスタらしい“きな粉っぽさ”は感じるので、ロブスタだな、ってわかる人にはわかるかも。
アイスだけれど、ドリップでもテイスティング。
アイスだからかな、味の平坦さがより際立っていて、よりいっそうスカスカな印象……。飲みやすくて断然クリアだけれど、うま味も少ない気がする。
ちなみにコーヒー液からはナチュラル感だとかワイニーさだとか、そういう風味は一切感じられず……。
……というわけで、この豆のポテンシャルがそうなのか、焙煎のせいなのかはわからないけれど、少なくとも今回は期待とはちょっと違う結果になってしまったのでした。ざんねん。
やっぱ焼きすぎたかのかなー?