ここ最近、焙煎に関する記事をポストしていないものの、しっかりと毎週末、次週分を焼いている。で、プロファイルなり取り組み方なりに大きな変化がないので、あえて何も書いていないのだけれど、あらためて気づいたことがあるので備忘録がわりに書いておこっかなと。
結局、コーヒーの味は生豆次第!
いきなり身もフタもない見出しだけれど、最近は焙煎を追い込むのをやめた。
前は「この豆の自分的なベストな焙煎プロファイルを探すぜ!」みたいな勢いで、あれこれプロファイルを変えてはトライ&エラーを繰り返していたけれど、結局ね、同じ銘柄の豆でも生豆のロット(購入時期や収穫年度)が変わると、ほぼ意味を持たないことに気づいたというか(今さらだけど)。
それを境に、どうやっても味が変わっちゃうのですよ。味が変わるから、ロットごとに多少の調整を入れたりもするけれど、だからこそカリカリに追い込むことに関心がなくなったというかね。焙煎って、焼く季節(気温や湿度)もしっかり影響するしね。
だから最近は、あまり細かいことを気にしないで「この豆はこんな感じで、何分くらいで何度あたりになったら煎り止めよう」くらいにとどめている。そのくらいおおらかに構えていないと、きっとやってらんない。
一度の生豆投入量は250g!
ぼくが使っているKALDI Fortis焙煎機は、一応600gまでの焙煎量に対応している。だけれど、ぼくは250gのサンプルロースターで経験を積んで、その味を再現し、より磨きをかけることに注力してきたので、正直250gよりも多い生豆を投入したことがあまりない。
いや、本当は焼き上がりが250gとちょうどいい量になるので生豆300gで焼いていた時期もあったりしたのだけれど、投入量が250gと300gだと、焙煎中のプロファイルが全く別モノになっちゃうのよね。
とくに顕著なのが1ハゼからの温度上昇。300gだと250gに比べて、1ハゼからの温度上昇が、かなりゆっくりになる。50gでこんな変わるの? っていうくらい変わる。
これって、いわゆる一般的なセオリーでは悪いことじゃないんだけれど、どうもぼくはそのプロファイルで焼いた豆よりも、生豆250gのけっこう駆け足気味の温度上昇で焼いた豆のほうが好きだったのです。
このへんがコーヒーが嗜好品たる所以で、やっぱりセオリーどおりが自分にとってベストではないんだなーと。
というわけで、1ハゼ以降は焦げない程度にサッと温度を上げられる投入量250gが、今のところ自分にとってのベストな量になってます。あ、300gでも可能なんだろうけれど、それにあわせてまた火力とブロワーを試行錯誤するのはめんどいな……という。
焙煎をこれだけやっていて、わからないこと
ある程度、自分の焙煎方法というのが確立している今でも、じつはわからないことがある。
それはエスプレッソを落としたときの粘度をどうやったら上げられるか。
間違いなく「鮮度」は重要な要素になるんだけれど、それだけじゃないみたいで、同じ銘柄の豆、同じくらいの鮮度でも、粘度が変わってくるんだよね。
そこで焙煎プロファイルに注目して、同じように焼いてみるも、それでも粘度が高いときと低いときが出てきちゃって、「正直、よくわからん……」という状態が今(笑)。
同じように焼いたつもりが、じつは同じように焼けていないという可能性も大きいけれど、だとすると実力の限界か。
というわけで、今は再現性を貪欲に追い求めるのではなく、エスプレッソを落としたときに時々ある「キター!」という感覚、一期一会を楽しむことに方向転換しつつあります。
もしかすると、“絶対安定”とはいかないからこそ、楽しいのかもしれない。コーヒーは深いなぁ。