nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

続・ChatGPTに学ぶコーヒー焙煎

ChatGPTに焙煎の相談をしながら好みの味を再現を試みているココ2週間。今回は、ちょっとマニアックな内容。

 

ちなみに目指しているのは“チョコ感全開のコーヒー”ね。

 

さて、AIからの数々の“ダメ出し”を受けて、気をつけるべきポイントはこんな感じ。

 

・ドライフェーズ(DF)は風量強め
・ドライエンド(DE)後のメイラードフェーズ(MF)は火力弱め
・1ハゼ(1C)以降のデベロップメントは風量弱め
・2ハゼ(2C)前はじっくり温度を伸ばす

 

で、上記を意識して焼いたときの様子がコレ。

 

 

困ったことに、このタイミングでいつものブラジル(カトゥーラ&カトゥアイ)がなくなったので、ブルボンのログ。ちなみに、あとからこの豆変更の影響について、さらに奥深い事情を知ることになる……。

 

このプロファイルで焼いたブルボン、スッキリしていて甘さもほどほどにあって、美味しいんだけれど、これまでに焼いていたカトゥーラ&カトゥアイのブレンドに比べると、甘さ、コクともに物足りない印象。味に奥行きがないというか。

 

ここで少し拍子抜け。あれー、本来ならブルボンのほうが甘いんじゃないの? 話が違うじゃん、と。

 

ChatGPTに文句を言うと、その回答でまたひとつ賢くなる(笑)。

 

ChatGPT曰く、一般的にはカトゥーラ、カトゥアイは焙煎のストライクレンジが広く、比較的甘さを出しやすい品種と言われているものの、甘さという観点だとブルボンのほうが上なんだと。ただ、ブルボンはレンジが狭いというか、豆に合った焼き方をしないと、その甘さを引き出せない、とも。

 

なんてこった。

 

つまりは焼き方を工夫して、はじめて本領を発揮できる豆ってことか。今までブルボンのポテンシャルを引き出せず、なんとなく「物足りない」と感じていたけれど、すべては自分のせいだったということかーっ(泣)。

 

今回の問題を簡単に言うと「MFの熱量が強すぎて甘みが壊れてしまっている」らしい。

 

以上を踏まえて、ブルボンを前提とした改良ポイントはこんな感じ。

 

・投入温度を165度〜168度に下げ、初期の水分移動をゆっくりする(甘さのベースをつくる)。
・DEを6分20秒〜40秒くらいに遅らせる(中盤の伸びしろをつくる)
・1Cのタイミングを30〜40秒ほど遅らせる(重要。MFを伸ばして甘みを引き出す)
・MFのブロワーをほんの少し弱める(風量が強いと熱風寄りの焙煎になって風味が飛びがち)

 

これでカトゥーラ、カトゥアイ並みの甘さが引き出せるらしい……というわけで、今度は上記を試してみようと思います。

 

「豆によってドライフェーズ時間を変える」ということ


で、この流れのなかで、もうひとつぼくの経験値が上がったエピソードがあるので紹介。

 

投入からDEまでのドライフェーズ(DF)の時間について。

 

以前、同じAIに、DFを今より短くしたほうがいい、というアドバイスをもらっていたことがあったんだけど(MFを長くとれるように)、今回は突然、長めにとるべき、という助言。言ってることが変わってない? と突っ込むと、それにも理由があった。

 

以前までは豆の品種まで情報を与えていなかったんだけど、ブルボンについては

・密度“やや低め”
・水分”やや少なめ”
・熱伝導が速い
・焼けすぎやすい(とくに中盤が早いと甘さが犠牲になる)

という特性があるので、DEまでの長さを少し長めにとることで、甘さの土台をつくることができるのだ、と。

 

つまりは、豆の特性を考えてDF、MFを組み立てる必要があるということに、あらためて気づかされた格好。考えてみれば当たり前のことなんだけれど、生産国や精製方法は意識しても品種まで考える癖がついていなかった。なるほど、そりゃそうだ、と。

 

逆に言えば

・水分多め
・密度高い(とくに中米の固めのSHB)
・芯まで熱が入りにくい
・DFが長いと後半に熱が入りすぎる

という豆ではDFを短くして後半に余裕を持たせることがオススメらしい。

 

……と、こんな具合で、ChatGPTに相談すると、今までなんとなく気にしていなかったけれど「大事なこと」をズバズバと的確に教えてくれる。

 

品種による焼き方の話……この次元になると、きっとプロ向けの焙煎セミナーの内容なんだろうなぁ、と思いつつ、これが無料で享受できるのは、ほんとすごいこと。

 

いっぽうで情報過多になりやすいので、最初から相談するよりも、ある程度、自分で試行錯誤して煮詰まったら聞いてみる、くらいがいいかも。自分を見失わないためにもね。

 

というわけで、しばらくはChatGPTにお世話になる予定。これ、ホント世界が変わるので、ぜひやってみて。