nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

初心者向け・エスプレッソの淹れ方1 準備編

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ぼくがエスプレッソマシンをはじめて買った1999年くらいは、書籍はもちろん、ネットにも情報が少なかったものだけれど、今でもそこまで多いわけじゃないことに気づいた……ので、はじめて家庭用エスプレッソマシンを買って、家でエスプレッソなりカフェラテなりをつくろうと思っている人のために「初心者向け・エスプレッソの淹れ方」と称して、いくつかポイントをまとめておこうかと思います。

 

今回は準備編。

 

美味しいエスプレッソを淹れるために大切なことは、このみっつ。

 

  1. 新鮮な豆を入手する
  2. 淹れる直前に自分で挽く
  3. 美味しいエスプレッソを知る

 

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1:新鮮な豆を入手する

これ、とっても大事。味は基本的に豆で決まるので、豆には徹底的にこだわるべき。

 

コーヒー豆は焙煎すると、その瞬間からガスを発生しはじめ、劣化していく。スピードこそ遅くできるものの、劣化は避けられないので、焙煎から日にちが浅い豆を買うことがポイント。

 

つまり、焙煎から日にちが浅いコーヒー豆=新鮮、というわけ。

 

鮮度が良ければ、エスプレッソには分厚いクレマができ、抽出液自体にもトロッとした粘度が加わる。

 

逆に鮮度が悪ければ、何をどう頑張っても分厚いクレマはできないし、抽出液も水っぽくなる。こういうエスプレッソは、単に苦いだけで、広がりが感じられず、美味しくない。エスプレッソが不味ければカフェラテにしてもカプチーノにしても不味い。

 

じゃあ、そんな豆はどこで買えばいいの? という疑問。

 

おすすめなのは自家焙煎店、もしくはお店に焙煎機を構えたカフェ。店頭に並べられたパッケージを買うのではなく、欲しい量を量り売りしてくれるところが理想的かな。そういうお店は、十中八九、鮮度が良い豆を売ってくれる。だいたいパッケージに焙煎日を書いてくれるけれど、書いてくれないときは聞こう。

 

ネット通販でももちろんOK。ただし、これも当たり外れがあるので、こればかりは数をこなすしかない。ぼくも昔は数えきれないほどのお店から買ったなぁ……。ひとつ言えることは、レギュラーコーヒー一辺倒のお店よりはエスプレッソブレンド的なものを売っているお店がおすすめ。そういうところは、エスプレッソで落として美味しいブレンドなりローストレベルを知っているから。

 

ちなみに、個人的な価値観で論外なのは大手コーヒーチェーンやスーパーで売られている豆。欧州方面の大手ブランド既製品を含めて、鮮度はまっっったく期待できない。

 

「焙煎からどのくらいの日数なら許容できるか?」については、保管環境で差は出るものの、ぼくの基準は10日ないしは2週間までかな。

 

ただ、お店によっては「エイジング」といって、焙煎した豆をある程度(一週間とか)あえて寝かせることもよくあって、一概に2週間以上の豆がダメというわけではないので誤解なきよう。このへんは好みにもよるところ。

 

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2:淹れる直前に自分で挽く

言い替えると「エスプレッソマシンだけじゃなく、グラインダーも揃えよう」ということ。

 

エスプレッソは、抽出圧と豆の細かさ(メッシュ)との微妙なバランスで成り立っているコーヒーなので、自分で豆を挽いてメッシュを調整できないと話にならない。ホントに。

 

かつてのぼくがそうであったように「自分はまだまだ初心者だから最初はお店で挽いてもらおう」なんて考えていると、まともにエスプレッソが抽出できなかったりで変なところハマってしまって、上達という意味では、かえって遠回りになってしまう。

 

では、最初に買うなら、どんなグラインダーがいいのか。

 

上を見ればキリないけれど、カギになるのが「うす式(コニカル刃)のエスプレッソ対応」なグラインダー。

 

うす式というのは、豆をすり潰しながら細かくするタイプのグラインダー。そして、エスプレッソでも使える極細挽きに対応しているものを選ぶ、ということが大事。初心者向けという意味では、1万円前後〜3万円くらいのモデルがおすすめ。

 

ちなみに、プロペラ式と呼ばれる、ふりかけをつくるようなグラインダーは買っちゃダメ。安価だけれど、挽き具合が安定しない。

 

そうそう、ドリップも飲む人は、ドリップとエスプレッソ両方に使えるグラインダーが欲しいと思うはず。だけれど、実際はエスプレッソはエスプレッソ専用と割りきったほうがいい。

 

もちろん両対応を謳ったモデルもあるけれど、エスプレッソは狭い範囲で微妙な調整が必要なのに対して、レギュラーコーヒーはものすごく大ざっぱなので、一台でまかなうのは、あんまり現実的じゃない(細かいエスプレッソ用のコーヒーに粗いドリップ用のコーヒーが少しでも混ざると、せっかくの調整が台無しになってしまう)。うちでも、もちろん使いわけている。

 

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3:美味しいエスプレッソを知る

鮮度が良い豆を入手して、グラインダーで自分で挽いて、エスプレッソを落としてみたとしよう。次にぶつかるのが「これ本当に美味しいの?」という、ある種の哲学的な疑問だったりする。

 

エスプレッソを含め、コーヒーなんて所詮は嗜好品。

 

だから、自分が美味しいと思えたら、それは正解。なんだけれど、美味しいか美味しくないかを判断するには、自分が美味しいものを知らなくちゃいけない。

 

ほら、なんだか哲学的になってきた。

 

なにが言いたいのかというと、いろいろなお店を飲み歩いて好みの味をみつけよう、ということ。ぼくはそれが、かつて赤羽橋にあった「マキネスティ」で、もっといえば「ESPRESSO VIVACE」の豆だった。

 

新鮮な豆で上手にエスプレッソを淹れられたとしても、それが美味しいかどうかは本人次第だし、豆次第なのが難しいところ。

 

例えば、ぼくはブラジルの豆が好きだけれど、ブラジルでも「ハニー」と「アロマショコラ」は味わいが全然違うように、同じ国のなかでも農園や銘柄によっても変わるし、さらにはローストレベルや直火なのか熱風なのかなど、焙煎方法でも味が変わってくるから、これはもう、ほんとうにあれこれ飲んで経験を積むしかない。

 

ついでにいうと、エスプレッソ用に買うなら、国や農園単体の豆を使った「シングルオリジン」よりも、様々な国の豆を混ぜた「ブレンド」がおすすめ。そのお店の個性が出るのが、ブレンドだからだ。

 

自分好みの店なり味が見つかればしめたもの。そこで豆を買えば、お店と自分のエスプレッソを客観的に比較もできるし、そういう経験を積んでいくと、どこの国の、なんていう銘柄の豆で、どんなローストレベルが好みなのかがわかってくる、というわけ。

 

次回の実践編につづく。