2年前くらいからユニオンのサンプルロースターで自家焙煎しているのだけど、焙煎は、やってみると意外と敷居こそ低いものの、ねらった味を出す、あるいは毎回同じ味を再現しようと思うと、途端に難しくなる。やればやるほど泥沼にハマる感じ。
だけれど、諦めずにコツコツ努力をしていると道は開けるもので、今はなんとなくではあるけれど、それなりの豆が焼けるようになって、自分なりにコーヒーを楽しめている。
ただ、焙煎方法がある程度定まってくるまでは、本当にいろいろな焙煎方法を試しては失敗した。同じサンプルロースターを使っている人に少しでもヒントになれば、と、今までに経験した代表的な失敗例をいくつか紹介。
1ハゼ後の温度上昇率を抑える
1ハゼが始まったらすぐに火力を一気に絞り、以降の温度上昇を抑えるやり方。これ、カセットコンロだと火力調節がとても難しいだけでなく、味が薄い、コクがない、渋みが出る、という悲惨な結果に。要するに火力を絞りすぎるとダメという典型。
1ハゼと2ハゼまでの間隔を長くとろうとして、火力を絞りすぎるとこの罠に陥ってしまう。
1ハゼの後に温度を下げる
1ハゼが始まったら、火力を最小にして豆温度を下げる。その後、再度火力を上げて2ハゼまで持っていくというプロファイル。これ、一度だけ手違いでたまたまなってしまい、失敗したーと思っていたら、意外とコクと甘みがあって美味しかったものの、再現しようとしてもできなかったという理屈が全くわからない謎の焙煎。
1ハゼ以降に温度を下げる実験は数え切れないほどやったけれど、ほぼ例外なく味が抜け気味で美味しくなかった。
最初から強火、徐々に弱火に
豆投入時から強火(カセットコンロの中火)で煎り、1ハゼ手前あたりから徐々に弱くしていくというプロファイル。まず、焼きムラになりやすいし、コーヒーは味が薄くてコクも乏しい、トホホな結果に。
……などなど。
これ以外にも何度も何度も失敗した。
そして、サンプルロースターで自分好みの味を出すために重要な要素が以下のみっつということも、なんとなくわかった。
1:1ハゼ後も温度を下げず、上げ続ける
これ大事。絶えずカロリーを与えて温度を上げ続けることで、香りと甘みとコクが出る(気がする)。ただし、ここ(1ハゼ以降)の火力が強すぎると豆に雑味や苦味が乗ってしまうので、ほどほどに火力を絞る。人と環境によっては1ハゼ以降に温度を下げる、あるいはその温度を維持する、という焼き方で大丈夫なケースもあるみたいけれど、うちではどうもダメだった。
2:1ハゼから2ハゼの間での極端な弱火はNG
ポイント1と同義だけれど、火が消えそうなくらいの弱火は使わない。なぜなら温度上昇が止まってしまうから。1ハゼ以降に温度上昇が止まると、渋みが出たり、味抜けの原因になってしまう。
3:焙煎時間は最大でも13分程度
火力との兼ね合いで再現性が高く、味にも納得できる焙煎時間がだいたいこのくらいだったというだけで、それ以外の理由は今のところない。10分強〜11分で1ハゼを迎えるスピード。これより焙煎時間を長くするには火力をさらに絞る必要が出てくるので、微圧計がないカセットコンロだとコントロールが難しくなる。
……と、以上はエスプレッソで抽出してカフェラテにしたときの好みの味に基づいた考察。で、最近、なんとなく感じているところだけれど、エスプレットとドリップだと、ベストな焼き方が違ってくるんじゃないかなー、と。収拾つかないことになりそうなので深追いしないようにしているけれど。うん、きっと気のせい。