昨年末のこと。ふと久しぶりにコチャレのナチュラルが無性に飲みたくなり、業者が休暇に入る前に滑り込みで注文。
到着した生豆は香りがちょっと弱い気がしたけれど、コチャレのナチュラルって、以前から買うたびに品質が変わっているくらい不安定だったので、まぁこのへんは許容範囲。
“いつものことだよね”と、あまり気にすることなく焼いてみた。
焼き上がりはまずまずで、コチャレっぽいワイニーな香りは少し弱めだけれど健在。
ところが! 翌日ラテにしてみたところ……アフターテイストが少しだけ藁っぽい……。
ドリップにしてみても、その藁フレーバーを感じる。正直、不味い。
まさか……?
と、クロップのデータをチェックしてみたら、なんということでしょう。2020年クロップということが判明。
やってしまった。これ知ってたら絶対買わなかったよー。反省。
というか、業者の定温倉庫でもエチオピアは藁っぽくなるのか(泣)。しかも、どこの業者とは言わないけど、そのほかの豆も2019/2020クロップ多すぎ……。これは情勢不安とコロナのせいかな。
というわけで、せっかく買ったのにこの仕打ちに軽くショックを受けて、年始早々にエチオピアのナチュラルを探しまくった。
ざっと見て回ったかぎりでは、そもそもエチオピアの豆の在庫があまりないことに気づく(売り切れ多すぎ)。
探して探して探し続けたとき、とある業者に遭遇する。その名も「Galitebe」。最初なんて読むのかわからなかったけど、“ガルテンビ”と読むらしい。これは読めないわ(笑)。
この「Galitebe」がですね、いろいろと興味深い。詳しくはwebサイトを見てもらうとして、ざっと箇条書きにするとこんな感じ。
・隠岐の島でカニ漁船に乗っていた若者が「世界の少数民族に会いたい」と、たまたまエチオピアに行く。
・その若者は、そこで出会ったバンナ族に“Galitebe”と名付けられる(これがそのまま会名となる)。
・バンナ族と生活を共にするうち、エチオピアという国に魅了され、そこの文化を日本に広めたいと思うようになる。
・エチオピアの暮らしに溶け込んでいた「コーヒー」に着眼。エチオピアのコーヒーを世界に輸出することを決意する。
・たまたま出会ったカッファ地方の人に勧められてカッファへ出向く。
・そして人柄だけでカッファのデンカラムさんと取引を開始。このときデンカラムさんは輸出未経験。
・翌年、ハブタムさんという人と、やはり人柄だけで取引を開始。
・現在、二人三脚(三人四脚?)で両氏が生産するコーヒー豆の品質向上につ取り組みつつ、継続的に日本へ輸入している。
という。
ガルテンビで取り扱っている豆は、大別すると生産者の名前がそのまま商品名になった「デンカラム」と「ハブタム」の2種。それぞれにナチュラルとウォッシュドがあるので、計4種類のみの取り扱い。
となると、エチオピアのナチュラルを探していたぼくに買わない理由はなく、「デンカラム」と「ハブタム」のナチュラルを即注文。年始にもかかわらず、すぐに発送されて、正月休みが終わる前に届いた。
このガルテンビ、取引先を決める際は「人柄重視」ではあったけれど、取引を始めてからは品質向上を最優先に取り組んでいるとのことで、このあたりの志が素晴らしい。
事実、届いた豆はとてもキレイで、ざっと見る限りほとんど欠点豆が見当たらない。エチオピアのナチュラルでこれはすごいと思う。
思わぬことがきっかけで出会ったガルテンビのコーヒー豆。まだ焼いてないけど、焼くのが楽しみ。
というわけで、焼いてテイスティングしたらまたレポートしてみたいと思います。