nine.ten coffee weblog

おうちカフェ「nine.ten coffee」のブログです。今のところ単なる趣味です。

Kaldi Fortisを5ヶ月使っての感想と今の焼き方

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例年であれば、その年の締めくくりに「今年のできごとTop5」みたいな記事をアップするのだけれど、今年はコロナでどこにも行けていなくて変化に乏しい年だったので、今年の8月から使い始めたKaldi Fortis焙煎機の話を。

 

1ヶ月レビューは前に書いたけれど、5ヶ月使ってみて、どうなのか? そして今ぼくはこんなふうに焼いてますよ、という話。

 

正直まだまだ試行錯誤中だけれど、最近、ようやく1バッチ目と2バッチ目以降で焙煎結果をなんとなく揃えられるようになってきた。

 

つまるところ、それなりに安定して焙煎できてはいるものの、味の追求という面では先も書いたように途上にある。なので、あくまで購入5ヶ月後、ぼくはこんなふうに焼いてますよ、という程度のものとしてとらえてもらえれば。

 

ちなみに豆の投入量は250g。ちょっと前に増やしたこともあったけれど、1バッチあたり生豆250g、焼き上がり200gが量的に扱いやすいので結局今はこうなってる。 

 

さて、使用歴5ヶ月のぼくの焼き方はというと、ざっとこんな感じ。

1:排気温度ETが200度になるまで余熱する

サンプルロースターを使っていたときは、正直、余熱は適当だった。Fortisも最初はどのくらいやればいいのかわからず、結果的に適当だったけれど、余熱がいい加減だと決まった温度で投入してもその後の温度上昇率が変わってしまうので、毎回しっかりと、かつ同じようにやるべきだと悟る(笑)。

 

というわけで今は、火力は弱火で、チャフコレクター&クーラーのブロワーは目盛りにして1.25の位置で作動させながら排気温度ETが200度になるまで余熱している。このとき、豆温度BTはもう少し温度が上がった状態、210〜220度程度になる。

 

余熱は時間にして20分くらいかな。目標温度になったら火を消して温度が目標温度まで下がるまで待つ。このあいだにホッパーに豆を投入しておく。

2:BT170度で生豆投入 

BTが170度になったらホッパーゲートを開けて豆を一気にシリンダーへ流し込む。

 

同時に点火し、ガスは余熱の火力よりも少しだけ強火にする。この火力は投入6分後にBT160度になる程度の火力を目安にしている。このときのブロワーは1.25。

 

ちなみにボトム温度は、この時期、上記の余熱をし、かつ投入量250gだと、1バッチ目は投入温度マイナス70度、2バッチ目以降は投入温度マイナス60度くらいになる。

3:6分〜6分30秒のドライエンド付近でチャフ飛ばし

 一定火力でカロリーを与え続け、6分〜6分30秒程度でドライエンドに(豆色が黄色っぽくなる)。

 

この直前あたりでブロワーを一時的に2に上げ、チャフを飛ばす。時間にして20秒程度かな。ブロワー1.25のままだと風力が弱いのかチャフがわりと残ってしまうので、その対策。

 

ブロワーはチャフを飛ばしたら1.25に戻す。

4:ドライエンドから火力アップ

ドライエンドからは一気に火力アップ。

 

ぼくはサンプルロースター時代から火力一定ではなく、ドライエンドから火力を上げるプロファイルの味が好きなので、Fortisでもそうしている。

 

火力は豆にもよるけれど9分〜10分程度で1ハゼを迎えるくらいの設定。ブロワーは1.25のまま変えない。

5:1ハゼを迎えたら火力ダウン、ブロワーアップ

これはどんな豆でも同じくらいだけれど、200度くらいで1ハゼが始まる。

 

ハゼ始めたら火力を一気に落とし、同時にブロワーを1.5へアップ。このときの火力とブロワーは自分なりに試行錯誤した結果の設定だけれど、豆の投入量が変わるとこのあたりのも当然変化するので、そういう意味でも豆の投入量は250g固定にしている。

 

1ハゼは1分半くらい続き、このときのBTのデルタは大きく乱高下する(つまりアテにならない)。

6:2ハゼ突入。適当なところで煎り止め。

火力とブロワーはそのままで2ハゼを待ち、あとはハゼの様子とテストスプーンで豆の色を確認しながらタイミングを見計らい、煎り止め。

 

煎り止めのときは少し忙しくて、火を消す、ブロワーのフタを外して別の場所に置く、豆を受け止めるザルを手に取って焙煎機の前に用意する、ブロワーを最大にする、そして豆排出、という流れ。これを3〜4秒くらいで行う。あ、そうそう最後に『Artisan』で「DROP」を押す、豆が大方出たらザルをブロワーにセットする、という操作もあるんだった。

 

ね、けっこう忙しいでしょう? これが慣れるまではモタついてしまうんだよね。

 

ちなみにテストスプーンを使うのはこの煎り止め直前だけ。回数も3回程度かな。シリンダー内の温度に影響ありそうだから、それ以外はあんまり使わない。

つい最近のArtisanの焙煎データ 

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Fortisで使っている温度計CENTER306は『Artisan』に対応しているから、こんなふうにあとからログを眺めることもできる。

 

必要最小限の機能しか使えていないけれど、これが便利なんだ。

 

上はつい先日焼いたばかりのプレミックスブレンドの焙煎ログ。普段はもう少しだけ深く焼くところを、試行錯誤の一環としてちょっと手前で煎り止め。

 

6分手前あたり、BTのデルタが大きく変化しているポイントがチャフ飛ばしを行ったタイミング。ブロワーの風量を変えると、こんなふうにデルタが大きく変化するので、そこに頼っていると混乱を招くので要注意。

 

このときは9分すぎに1ハゼを迎えているけれど、1ハゼのタイミングでもデルタが大きく変動する。ただ、ここで慌ててあれこれ調整しようとすると墓穴を掘ってしまうので、これまた要注意。

 

ちなみに「CHARGE(投入)」「DE(ドライエンド)」「FC(1ハゼ)」「SC(2ハゼ)」は自分でマーキングしなければならないので、慣れないうちはあたふたしちゃうかも。

Fortisの焙煎のカギはブロワーにあり!?

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5ヶ月使ってきて、なかなか掴めなかったのがチャフコレクター&クーラー、いわゆるブロワーのコントロール。

 

これはまた今度詳しく書くつもりだけれど、操作できる範囲が0〜9まであるにもかかわらず、風量的に焙煎で使える範囲は、せいぜい最大2、いっても2.5くらい。つまり、圧倒的に解像度が足りない。

 

これはもちろん豆の投入量に依存するから一概にはいえないけれど、少なくとも投入量250gだとそんな感じで、言ってしまえば、ぼくは2以上は使わない(せいぜいチャフ飛ばしくらい)。

 

さらにいうと0〜1は出力が弱すぎるのかファンが回らない(笑)ので、実質使えない。つまりは、0〜9まである調整範囲のなかで1〜2程度しか使える範囲がないので、調整が大変なのだ。

 

結果的に、ぼくは1.25〜1.5の、ごくごく小さな範囲で使っているというね。

Kaldi Fortisを5ヶ月使っての感想

というわけで5ヶ月使ってみて、あらためて言えることは、コスパを含めて、とても良い焙煎機だということ。本当にいろいろな焼き方ができるから、どういうプロファイルが自分好みなのかを見極めるのが大変だけれど、それを掴んでしまえば、サンプルロースターよりも安定したクオリティにできるし、なにより焙煎そのものがとても楽なのがうれしい。

 

これはFortisに限ったことじゃないけれど、電動と手回しだと疲労度と面倒くささが本当に雲泥の差なので、どちらにしようか悩んでいる人がいたらとりあえず電動をオススメしちゃう。

 

あと、上でも書いたけれど『Artisan』が使えるのもとてもポイントが高し。使用しているCENTER306そのままだとアプリケーション上の温度表示がETとBTで逆になってしまうということもあったけれど、まぁそれは設定を変更すれば問題なし(詳しくはこのエントリーの追記部分参照)。

 

ブロワーとは関係ないけれど、欲を言えば、焙煎機のモーターの音がもう少し小さいとうれしいなぁ。ちょっと大きめで、しかも安っぽい音だから(実際、安いから仕方ないんだけど)。国産の良いモーターがあれば交換したい。

 

■Kaldi Fortis関連のエントリーまとめ