
エスプレッソマシンの買い換え意欲はそんなにないけれど、たまーに最新のエスプレッソマシン事情を見ると、なかなか新鮮でおもしろかったりする。
例えば、WPMのPRIMUS Espresso Machine。
価格的にセミコマクラスになるんだろうけれど、グループヘッドがE61でもなければロータリーポンプでもないし、そもそもボイラーを搭載してはいるものの、サーモブロックとのハイブリッドという。
ここから読み取れる設計思想は、おおきくふたつ。
・素早い立ち上がり
・きめ細かい抽出圧調整
例えば伝統的なE61のボイラー式のマシンでは、まず大容量のボイラー内のヒーターで水を沸騰させたら、今度はそのお湯でヘッドを温め……という具合で、時間にして30分くらいのマシンの“断機”が必要だった。
ぼくはもう慣れちゃったけど、これがまず大きな弱点。
WPM PRIMUSの場合、0.8Lの小さめのボイラーを暖めるんだけど、ここの水温を70度程度にとどめておいて、あとはサーモブロックで最終的な温度に一気に加熱してグループヘットに送ることで、3〜5分程度の立ち上がり時間を実現しているみたい。
サーモブロックって、以前は入門用のマシンでよく使われていたりもして、どうしてもスチームが水ぽっくなったり、パワーが弱いなどデメリットも多かったようだけど、最近は素材の改良やヒーターのパワーアップなどもあって、短所といえばボイラー式に比べてスチーム持続性がやや劣る程度らしい。
この低温ボイラー+サーモブロック形式は、ほかにも、ボイラーにスケールがつきにくかったり、温度変更が容易だったり、抽出とスチームの同時使用が行えるなどのメリットがあったりもする。
GiottoなどのE61セミコマは、小規模店舗で電源入れっぱなしを想定して設計されているけれど、WPM PRIMUSは、おそらく自宅で使いたいときだけ使うホームユースをターゲットにしているから、あえてこの構成なんだと思う。これは合理的。
もうひとつ、グループヘッドがパドルで抽出圧の微妙なコントロールに対応していることも注目ポイント。
セミコマの代名詞でもあるロータリーポンプを使用せず、いわゆるギアポンプを使うことで、高い静音性ときめ細やかな抽出圧調整が行えるようになっている。
正直、積極的に抽出中の圧力コントロールをしたいかといわれるとそうでもないけれど、E61でも抽出後半は圧を落としたいなーと思うこともあるので、そういうことができるのは羨ましい。これも最近のハイエンドマシンのトレンドなのかな。
ちなみに、ウォータータンクが本体とは別にあるというのも、大きな割り切りだと思う。
タンクが外にあれば本体を小さくできて、水の残量もわかりやすいし給水もしやすい。ただ、全体的な見た目、景観は少し悪くなりそうかも……という。
それにしても、メーカーもいろいろ考えるねー。
で、こういう新しい試みって大好きだし、おもしろいんだけれど、実際に食指が動くかどうかは別問題。いちばん気になるのは耐久性かなぁ。