「SCAJ 2019」の「セラードコーヒー」のブースでいただいた豆、第2弾。
この豆は「特徴がある豆」というリクエストで推薦された、ブラジルの「フルッタ・メルカドン」という商品。
ポルトガル語で“フルーツ市場”を意味する言葉なんだとか。
最大の特徴は、“フルーティーなフレーバー”をテーマに、セラード珈琲が現地の農園と共同で研究・開発している点で、なんと、天然酵母によってこの独特な香りと風味を形成しているのだとか。いやぁ、ついにコーヒーもそういう時代なのかと。
生豆の香りは、俗に言う“ワイニー”な感じだけれど、もう少し明るくて華やか。この時点でフルーティーという言葉がピッタリ。
ちなみに、SCAJのブースでは比較的浅煎りのフルッタを使ったコーヒーが試飲で提供されていて、飲んでみたところ「うわっ! これがブラジル!?」という印象だった。名前のとおり、とにかくフルーティーさが際立っていて、ブラジル特有のナッティーなほろ苦さがほとんどない。ほんと、前情報がなかったらブラジルだなんて思わないほどに異彩を放っていた。
で、思ったのです。これを深煎りにしたらおもしろいんじゃないかって。
今回はそれをやってみた。
2ハゼから30秒くらい引っ張った、少しイタリアン寄りのフルシティ。ちょっとやりすぎたかなと思ったけれど、まぁ、モノは試し。
特筆すべきは、これだけ深くやいても、この独特な香りが残っていること。
ナチュラル精製特有の、例えばエチオピアやオリエンテなんかに近い印象だけれど、やっぱりこの豆にはこの豆特有の香りがあるね。
いつものように、翌日、ラテに。
まず抽出中の粘度が高く、エスプレッソの質感がとてもイイ感じ。カップを回したとき、表面張力でエスプレッソがカップにまとわりつきながら広がっていく感じね。エスプレッソは、やっぱりこうでないとね。
でもって味はというと……これまたすごかった。
ローストが深いわりにはボディはそこまで強くないけれど、香りと甘さが強烈。香りはフルーティーだけれど、深煎りにしたからか熟したフルーツなイメージで、これがすごくミルクと相性がいい。香りがミルクの甘さを際立たせている印象で、程よいコクと相まって、とても上品で華やか、かつ飲み応えのあるラテになった。
香り、味、口当たり、すべてにおいて完全にぼく好み。それはシングルオリジンでここまで満足度が高い豆は、正直、今までに経験がないかも!? というくらいで、思わず3kg注文してしまったほど(笑)。
いやー、ヤバい豆ですわコレは。
■後日談
3kg注文してから何度も焼いているけれど、残念なことにサンプルを焼いたときの味を再現できずに悩み中。
再現できないどころが、近い味だったらまだいいけれど、困ったことにほど遠い……(泣)。サンプルを焼いたときのデータを見て試行錯誤しているんだけどなぁ。うーん、なんでだろう。
とりあえず、もうちょっと足掻いてみよう。